10数年前、私は大学の広い教室のひと席に座っていました。
印鑑を手に持ち、重要書類に捺印。
親戚の叔父さんが書いてくれた保証人の記載事項をじっと見つめていました。
「12年か・・12年は働かないと。」
払わなければ、叔父さんに多大な迷惑がかかるな。
しっかりしないと。
社会人経験のない私は、12年後の自分にいけるのか?とたずねていました。
何の話や?
と思われた方もいるでしょう。
今回は自分自身を褒めたい。
奨学金を完済しました。
やりました。
コンプリートです。
私は大学4回生の時、就職が決まっていました。
親も就職するものだと思い込み、ホッとしていたと思います。
ところが、楽しくなってしまったのです。
研究が。
この話は長くなりそうなので、今回は割愛します。
親に反対された大学院進学。
スポンサーから拒否をされた私は、学費を自ら払うことに。
その時、助け舟を出してくれたのが奨学金でした。
この借金のおかげで、働くという大きな理由を背負いました。
辛い時、
「奨学金が残ってるから、せめて払い終わるまで…」
と考えていました。
時に支えにもなっていたこの制度。
全額一括も考えましたが、わざとしませんでした。
終わりました。
私の働く理由の1つが完了です。
何だか淋しくも感じますが、今なら10数年前の自分に言えます。
「やったったぞ!」