「ぽにさん、年末の研究発表会の質疑応答、
僕が今まで見てきた人の中で、最も素晴らしい対応をされていました。
あんなトンチンカンな提案をされていても、相手を尊重し、受け止め・・
僕は、感動しました。」
おお。ありがとう。
先日、他部署の後輩から声を掛けられました。
「普通の技術系の人だったら、あの質問には、ダメ出しをするでしょうね。でも、しない。質問者もご満悦でした。さすがだ!と思いました。」
やりましたよ。みなさん。
やっと、
ようやっと、
人から褒められる受け答えが出来るようになりました(涙)
はいはい。ご褒美です~
ビジネススキルというやつでしょうか。
やっと体得?できたようです。
では、褒められた発表会の質疑応答について詳しく説明させてください。
ん?嫌だ?まぁそう言わずに。
私の所属する研究部隊は、2~3か月に1回進捗を発表せねばなりません。
皆の希望する新製品や新技術がどのようなペースで進んでいて、予算はどれくらい必要で、人員は足りているのか、困っていることはないか・・等を含め説明します。
研究している本人達も、方向転換や修正案をここで出してもらえると助かります。
関係者の前で『言質』も取れるため後々「言った、言ってない」のゴタゴタになりにくい。
で、毎回進捗会で私が1人気を付けていること。
決して誰にも恥をかかせず、気持ちよく進めること
というのも、15年ほど前に所属していた中央研究所では、当時、
建設的な「みんなで良い研究にするぞ~」という研究発表会ではなく、
マウント合戦が行われていました。
「君はあの論文を読んだのかね。読んでいないのにこの考察はどうなのか?」
「今、この分野の研究は○○大学の××教授が詳しいが連絡は取っているのか?」
「昔、同じような研究をしていた人がいるが、知らないのか?」
とか何とか。
要するに、
オレはお前より知っているけど、どや!
と言いたい『マウント意見』が含まれていました。
正直、マウントしたければしたらよいのですが(そういうのしかコミュニケーションが取れない人もいる・・)、みんなの見ている前ですべきではない。後でそっと教えてあげればよい。
このような発表会だと、
発表する本人も『マウント対策』を行うことにエネルギーや時間を使ってしまいます。
本当はもっと研究そのものに重きを置かないといけないのに、違う部分にあくせくする。
一方、『演者』が気を付けないといけないのは、
質問した人に恥をかかせないこと
例えそれが『マウント質問』だったとしても、
かなりトンチンカンな質問だったとしても、
質問した人は大なり小なり勇気を持って質問しています。
特に、みんなの前で、バカにしたり恥をかかせるなんてご法度。
二度と質問をしてくれなくなるだけでなく、
恨みを買ってしまいます。
研究関係者あるあるかもしれませんが、論破した!正しいことを言った!
相手が質問してきた、科学的に間違っていることを指摘して、
正しく上書きしてやったぞ!
というのは、身内だけの小さな勉強会なら正しい。
最適解の時も多々あります。
しかし、発表会は社交の場
勉強の場というより、
『人付き合い』の場です。
恥をかかせてはならぬ。
ということで、私は近年、とんちんかんな意見が出た場合、
むしろ自分が恥をかくことにしています。
「なるほど!その考えは私はしたことがありませんでした。
前向きに検討してみます。
後で詳しくお話させてください。」
などと質問自体に時間をかけずにコンパクトに収集します。
ほんでもって、後ほど、質問の意図を聞き出し、科学的におかしければやんわり「実は本研究ではその論理は通用しないんですよ・・」と切り出します。
もちろん「私の説明が拙く、理解しずらかったと思います。すみません。」
とも付け加えて・・
いやね、初めは私が恥をかくとおもっていました。
とんちんかんな意見に、否定をせずにその場を収束させるなんて。
ただ、この方法に切り替えてから、
すこぶる評判がよい。
私の発表の後に質問も増えました。
みんな、否定されないので質問しやすいのでしょうか。
上記の身のこなしが出来るようになったのは、以前よりも肩の力を抜いて『ある意味、評価とかどーでも良い』というステージに立ったからだと思います。
管理職試験にも落ちていますしね。
出世も同年代に比べて遅いですし。
必死に守るものがないので、どう転んでもよいよ~というドッシリした風格になりつつあります。
これが良いかどうかは分かりません。
でも、以前よりも評判も良くなり、予算や意見も通りやすくなりました。
残念ながら、科学的結果は・・変わりません。
『結果の良し悪し』と『本人の評判』、
そこには相関はない。
うん。
ある意味、科学だけは裏切らないと実感している昨今です。
今年もぼちぼちいきます~!
ではまた!
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