最先端技術を争うのであれば、どんなに偉い人の意見でも参考程度にしないと痛い目に遭う件

現在、特許に絡む、比較的『最先端』な技術に取り組んでいます。

AIやITと自らの専門分野を生かした技術です。

 

約3年前。

特許を申請しまーす!と所属企業に話しを持っていくと、身内から横やりが入りました。

 

その横やりを入れてくる人が、ちょっと上の上司とか同僚くらいだったらまだ良いのです。

 

一番困るのは、

結構な立場の方からの

『個人の感想』という横やりが困る

 

そうです。

ご年配のご感想。

立場が高ければ高い程、

個人の感想ではなく『その企業の意見』になってしまいます。

怖いものです。

だって、AIやITの技術の技の字も知らない人なんです。

よく考えると企業での立場は上ですが、

ズブの素人です。

「インターネット、はて?」くらいの人です。

 

でも決定権があるので結局その人が決めるんですよ。

しょうがない。

組織ってそういう仕組みなのだ。

 

でね。

何が言いたいかと言いますと、

私がリーダーを務めるある研究。

3年前に上からの「特許を取らなくてもいいんじゃない?こんなの権利化できないでしょ。」と年配の経営者の方々から猛攻撃を受けました。

しかーし、命令をガン無視ししました。

 

ガン無視は聞こえが悪いな。

 

のらりくらりと無視したのです

 

ははは~~

そうかもしれません~

でも念のため取らせてくださーーいって、

特許申請を社内で合意させました(めっちゃ大変だった)。

 

当時の幹部達は、

「ぽにさんの技術やアイデア、この分野とAIやIT知っている人ならば誰でも思いつくみたいじゃないか。」

と言ってきました。

 

そうです。

誰でも思いつく可能性があるので特許を申請するのです

特許申請のトレンドが変わってきているのです。(私も特許のゴリゴリ専門家ではないので、以下、おかしかったらDMで是非ともご教授頂きたい。)

 

昔の特許ならば、新規性と進歩性が重視されていました。

いわば、新しいピカピカの誰も思いつかないような技術です。

 

しかし、分野にもよりますがピッカピカの誰も考えつかないことは、若干出尽くした感はあります。

 

よって、新しいだーれも思いつかない彗星のような技術なんて、まぁ無理です。

現実はあれとこれを組み合わせて、プログラムに落とし込み演算させて、新しいものを生成する。

似たような技術はある。かもしれない。

ただ、結構新しい。

局所的にみると新規性あり!既視感は否めないけど・・

それが今の特許だったりします。

 

しかも、特許はその会社の権利化だけでなく、同じ構想を練っている同業者への抑止力も兼ねています。

こんな技術をもう先に作ったからね~同じの作らんといてや~

作っていたとしても、ワシら使えるからね~

みたいな感じです。

もちろん、特許の文章には、全ての手の内(技術)を晒すわけで、

出さない方がいいんじゃない?という意見もあります。

 

わざと特許にしないノウハウとして秘匿している技術も多々あります。

なので幹部が「特許申請しなくても・・」と仰るのも分かる。

特許の公開文書なんて世界中から誰でもアクセスできます。

 

でも申請側もバカではない。

文章をそのままの使ったとしても、100%上手くいくわけではないように弁理士と相談して特許を仕立てるのです。

重要な所は伏せるなど文章も工夫しながらやってまんねん。

 

ほんで、その3年前の特許よ。

3年経った今、

あの時ゴチャゴチャ言ってきた幹部達のほとんどが勇退されました。

 

で、今になって、関係者が口を揃えて言います。

あの時、特許を申請しておいてよかったな~

って。

 

なぜなら、近年同じような特許が出ていて、

あのタイミングで出さなければ、うちの会社ヤバかった。

要は今開発中の技術が、使えなくなる、いや使えても特許を出している企業に使用料を払わないといけない。

 

当時、反対を押し切り、特許を申請した私。ナイス。

 

そして、3年経つと当時の幹部達は全員じゃないにしろ、

大多数がいなくなり、

全然違う風が吹くのです。

まさに、諸行無常

 

人の流れ、人事は諸行無常ですが、

技術は違う。

 

人への忖度とは全く違うアンテナで進めていかないといけない。

 

ただ、当時は嫌われましたし(生意気な研究員だって)

だからこそ管理職試験に落ちたかもしれない・・

最終回:昇進試験に落ち、管理職になれなかった話

 

技術担当者が忖度をせず進めないことは重要。

とっても難しいですし、精神も削られます。

 

でも、特許を申請せず、

数年後にやっぱり合っていたじゃん!

取った方がよかったじゃん!

コノヤロー!

と思っても、責任取れる幹部達はもういないのです。

 

責任も特許も、ブーメランのように本人に帰ってくる、

それが技術なのです。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

10数年前の入社当時は、バリバリ系(自称)を目指してヒジ張って働いていました。 メディアに紹介され、優秀な女性として会社の重要ポストに・・と本気で考えていました。 現実は全く違い、自分の中で上々の結果だと思っても平凡な評価。現実と理想の違いに悶々とする日々。 結婚、自らの転勤、DINKSを経て、待望の子供を出産。 2回の育休を取得し、現在4歳、6歳の育児中。 もうすぐ3人目の出産を控える。 約50平米、賃貸マンションを何とか快適にと模索の日々。 夫婦共に技術系総合職、 お互いの実家は遠方(完全核家族)、 バタバタの育児、 主人は早朝(繁忙期は5時)に出社、 夫婦共に遠出の出張も・・ どこまでいけるか奮闘中の共働家、ともばたけ!