「医学部は嫌、でも理系で好きなことを学びたい」
と娘が言っているとのこと。
かーー!!次元が違う!
医学部ってめーーっちゃ勉強しないといけないよ。入るまでも。入ってからも。
でもでも、まぁ、聞きましょう。
ほんでどうしたの?
娘が「周りが医学部志望が多いから、医学部に行きたくない」と言っていて、あなたが昔学んでいた学問を学びたいと言ってるの。どう思う?
…え?本音で言っていいの?
これね、本当に思う。
医学部に受かる偏差値があるなら、医学部に行っておいた方がいい。
特に女性ならなおさら。
うん。率直な意見です。
私の理系キャリアから見えた「リアル」
私は某理系大学院を修了後、今の企業に新卒で入社。気づけばもう20年以上。
入社当初は女性研究職も珍しく、「ちょっと注目されるかな?」と淡い期待を抱いていたのですが、すでに社内には広告塔的な女性社員が在籍しており、私はあっさりと転居を伴う異動へ…。ずーっと素敵な平社員です。
ほんでもって、ここからがリアルです。
- 入社したら、出身大学なんてほぼ関係なし
- 偏差値が高かろうが、入ったら金太郎あめ(全員社員)
- 企業は知的好奇心を満たす場ではなく、営利団体
- 学歴・専門性よりも、会社が「今必要としているスキル」が求められる
そして、よく相談されることがこれ。
「私・僕はこんなに勉強してきたのに」
「なんであんな人が上なんだ」
と言いたくなる瞬間が何度もある
そう、優秀な人ほど社会に出てから苦しみがちなんです。
医学部は「最も潰しがきく切符」
特に、女性の場合。
結婚や出産でキャリアが途中で切れても、医師免許があればなんとかなる。
他の理系学部だったら、「へ~優秀なんですね。でもうちでパートしてくれるんですか?」となる。そして、それがいろんな所で起こっている。
本当に腹立つことだけど、女性だとセカンドキャリアが閉ざされがちなのが日本。
そう考えると、医学部は選択肢が多い。
・臨床医として働く
・研究医や製薬企業の道へ進む
・地方勤務でも高収入が確保できる
・最終的に「やっぱり違う」と思ってもブランド力が残る
一方で、理系の研究職はというと——
- 研究テーマは会社都合
- プロジェクトは数年単位でコロコロ変わる
- 転勤・異動・出向の可能性アリ
- 成果が出なくても売上は求められる
「知的好奇心」で入った世界なのに、経済合理性との板挟みに。
これは想像以上にメンタル削られます。
優秀すぎる子こそ、現実を見ておいた方がいい
もちろん、好きなことを学ぶのは素晴らしい。
でも、それを将来仕事として成立させるには、運と戦略が必要だと思うのです。
「優秀ならば何を選んでも大丈夫」は、
幻想かもしれません。
痛い目にあいます。
だから、私はこう答えました。
「医学部行ける成績があるのなら行っておけば?」
もちろん、すべての人に当てはまるわけではありませんが、
「選べる立場」にいる人は、将来の選択肢が広がる道を取るのも一つの戦略だと思っています。
最後に…
優秀なあなたへ
「サラリーマンになってからが本番」
これは多くの成績優秀な人が直面する現実です。
だから、学生時代にできる最善の“保険”を持っておくのも、立派なリスクヘッジだと思います。
それにしても、本当に社会で求められる能力と学校で教えてもらう学力には乖離がある。
学問よりも、
- 体育会系のように上下関係が身体に染みついていたり
- 人たらしだったり
- 相手(クライアント)の話をよく聞けて、求められることを抽出できたり
- 初動や行動が早い
という人が一緒に働きたい人だったりするんだよね~