最終話:「12年通った保育園」最後の運動会でひそかに泣いた

■前回までのあらすじ■

12年通っている保育園最後の年の運動会。死闘と呼ばれる親子競技『ほいくえん版騎馬戦』に参加する私。

自分の『物言い』のおかげで、2回戦で終わるはずが、3回戦に突入。

走り回り、もうクタクタ。立っているのもつらい。

もつのか?私の体力。

  1. 12年通った保育園最後の運動会が終わった日【初めて死闘の親子競技に参加】
  2. 屈強な男性ばかりの親子競技。よろよろの母が生き残るための戦略。
  3. 作戦通りにいくか?保育園最後の親子競技にてんやわんや
  4. 保育園に通って12年間、先生に初めて『物言い』する?!死闘の親子競技の決着

 

先生が問答無用に言います。

 

「スタート」

 

いかん。

さすがに3回戦まで考えていなかった。

強烈にしんどい

足がもつれる。

1か月前から体幹トレーニングをしたものの、アスリートではない。ちゃんとその辺の一般人。

正直、ただただしんどい。

 

まだ元気なお父さんが子供をおんぶしてぴゅーんと走っています。

なんなんだ。この人の体力。オバケか。

こんな人に煽られて走ってはいけない。いや、もう走れない。

 

マツコは生きているのか?

 

はぁはぁ。

もう私も余裕がない。

あれ、なんだか、後ろに人影を感じる。

 

クルっと振り向く。

マツコの後ろがすぐ後ろに!

あわや、ぶつかりそうになりました。

おっとっと。

 

待てよ。

 

マツコも私も後ろ同士ならば、おぶった子供達を守ることが出来る。

2人とも、もう体力を消耗し、突っ立っているので精一杯。

走れ!と言われても無理。

 

よし、このまましばらく待機。

『戦っているふり』をする

具体的には、頭だけキョロキョロ動かし、いつでも動きまっせ~という威嚇をする。

首から下はもう、ダメ。

足なんて上がっていない。

 

マツコも私の気持ちが伝わっているのか、どうなのか。

でも後ろに気配を感じ、じっとしているのは分かります。

なにせ、マツコの「しんどい。もうあかん!」という小さな声が聞こえるので、後ろにピターっとついているはず。

 

敵も私達を避けて通っています。

分かる。こんな騎馬がいたらめんどくさい。後ろに回れないもん。

とりあえず、この人たちは後回し!もっと取れる人たちから奪いに行く。となるでしょう。

 

我ら、何気に、

最強の布陣

 

もちろん、誰かのタスキを取りに行けるわけではないですが、

少なくとも味方チームの騎馬2つは死守できます。

 

現に、我ら北チームは、
1引き分け、
1勝中なのです。
よく考えると。

 

現在の試合、3回戦を落としても負けはしない。

 

なんでしょう。

大人になると、明らかに体力は落ちていますが、
知恵と言いますか、言い訳と言いますか、
ズル賢いことを平気で思いつきますし、

それを躊躇せずに実行する。

 

昔の私なら、きっとこんなことは思いつかなかったでしょう。

元来、ちょろっとだけ運動には自信がある方なので、真っ向正面から戦って、タスキを取られて悔しがっていたに違いありません。

身体能力に自信があるうちは、頭なんて使わないんだろうな~

ふと思います。

 

プロ野球やサッカー選手で、ベテランでも第一線で踏ん張る人の気持ちが、おこがましいけれど少し分かる気がする。

大勝ちはしないけど負けない

そしてその知恵が、チームを支える。

ノウハウがあるのでしょう。

 

しばしの時間が経過しました。

よし、あと少しだ。

 

ラスト10秒になって、だいぶ騎馬が間引かれました。

もう、クタクタ。

 

でも、いくぜ!

 

前に騎馬が見えます。クルリとターンしたばかり。ターンして間もない騎馬は、後ろの様子に油断しがち。
これも前の2回の戦いで得た知恵。

 

ということで、近づきます。

 

ダッシュ!

今だ!

三男の手がタスキに伸びます。

「ピピ―――終了です」

 

惜しい!

あとちょっとだったのに。

 

マツコ、私達親子の悔しそうな顔を見て、
「ぽにさん達、最後の最後まで取ろうとしていたんだ。凄いな。しかも惜しかった。」
と激励の言葉を残してくれました。

ありがとう!マツコ。あんたもスゴイで。

 

審判の先生が残った騎馬の数を把握。

 

「3回戦の結果。
北チーム7
南チーム8
南チームの勝ち」

 

わーー!観客からの完成があがります。

審判の先生が言い放ちます。

「1回戦引き分け、2回戦北、3回戦南。同点なので、もうひと試合、やりますか?」

 

北、南の父兄から一斉に、

「もう大丈夫です~~」

という蚊の泣くような声が上がりました。

 

はぁはぁ。
この後 『学年対抗、親のみの競技』があります。
今回の試合で敵と味方に分かれていた我々は、一緒になり5歳児年長クラスとなって戦わねばなりません。

打倒他の学年!

ということで、死闘の騎馬戦は引き分けのまま幕を閉じました。
いや~~頑張った。
出場者でお互い健闘を称え合います。

 

余談ですが…
学年対抗、親のみの競技』
うちの学年(年長)はなぜか応募者が多数で、先生が多くの保護者に遠慮してもらったらしいです。
他の学年は、人数が集まらずに先生が「出てくださーいお願いします」と頼み込んでやっと集まったそう。

 

競技はムカデリレー。

 

気合十分の年長の親たちでしたが、
最後のアンカーでにこけ、最下位になりました。
そこまでは1位通過だったのですが。

 

そう、マツコが頑張ってアンカーを務め、盛大にこけて、全部の学年に抜かれました。
マツコ、応募してたんや!一瞬思いましたが、彼女はなかなか速かった。

 

みんなで拍手!
これまた健闘を称え合いました。

保育園の親同士は普段全く関わることはないですが、このような機会があるといいものですね。

 

そうそう。

運動会の最後の最後に、年長・年中組の組体操がありました。

うちの三男、特に目立つタイプでも、運動が苦手でもどちらでもなくて、

ごくフツーなタイプ。

んが!

 

なんと、

組体操で、ど真ん中のピラミッドの1番上に立ちました。

長男も次男も下の方で土台をしていたピラミッド。

 

「嘘やろ。凄いやん。」

長男も次男もビックリ。

 

もちろん、補助をする先生がいましたが、
たくましく、バランスを取り立ち上がる姿に目頭が熱くなりました。

 

2020年の2月に生まれた三男。
乳幼児期はコロナであれもこれも出来なかった。今思えば壮絶な乳幼児期でした。
この学年のお母さんやお父さんも大変だったはず。
みんな、大きくなったなぁ・・

 

秋風が爽やかに吹いていたこの日。

 

12年間通い続けた保育園、最後の運動会が幕を閉じました。

さびしいものです!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

10数年前の入社当時は、バリバリ系(自称)を目指してヒジ張って働いていました。 メディアに紹介され、優秀な女性として会社の重要ポストに・・と本気で考えていました。 現実は全く違い、自分の中で上々の結果だと思っても平凡な評価。現実と理想の違いに悶々とする日々。 結婚、自らの転勤、DINKSを経て、待望の子供を出産。 2回の育休を取得し、現在4歳、6歳の育児中。 もうすぐ3人目の出産を控える。 約50平米、賃貸マンションを何とか快適にと模索の日々。 夫婦共に技術系総合職、 お互いの実家は遠方(完全核家族)、 バタバタの育児、 主人は早朝(繁忙期は5時)に出社、 夫婦共に遠出の出張も・・ どこまでいけるか奮闘中の共働家、ともばたけ!