前回のつづきです。
中学受験をするのであれば、やっておきたかったこと。
1年前に、中学受験当日を疑似体験しておくこと
小学校6年生といってもまだまだ子供。
12歳の身体にとって、受験はかなり負担になります。
しかも、関西の入試は首都圏と違いちょっと特殊で、
一発勝負の人が多い。
要は、前受けをしなかったりします。
関西はエリアが広い割に、受験校が首都圏のように乱立している訳ではない(首都圏は逆に選択肢が多過ぎて大変だと思う!)。
便利な駅の近辺に住んでいる人ならまだしも、バスで最寄り駅まで行って・・というご家庭も多い。通える学校はごくごく限られていたりします(もちろん場所によりますが)。
あと、前受けの文化もそこまでない。
我が家も大手塾に通っていますが、本命の前哨戦である前受けを塾の先生が、絶対的に進める感じでもない。
やりたい人は前受けしたらよろしいのでは・・みたいなゆるい感じ。
うん。
疑似体験が出来ないまま、本番を迎えてしまうかもしれない。
ということで、何かの参考になるのでは・・という思いで、
受験日に、遠くから見学することにしました。
あくまでも、受験生とその保護者の邪魔にならないよう、遠くから。
朝、見に行く学校に着いた時、
敢えて私からこう言いました。
「来年の今頃、この学校を受けるかもしれないし、違う会場にいるかもしれない。どちらにしても来年の今頃、どこかで、どこかの学校の試験を受けようとしている。想像してみて。」
プレッシャーをかけるつもりではないですが、事実を淡々と言いました。
意中の学校の最寄り駅に着き、電車を降りました。
ものの数分でついてしまう学校ですが、
会場まで2人で無言で歩きます。
しばらくすると・・
長男が、
「お母さん、瞬きが止まらへん」
というではないですか。
顔をみると、
見たことない、
高速まばたきをしている長男
えっ、
嘘やろ。
パチパチパチパチ・・
めっちゃ瞬きしてるやん。
絶対、ストレスによるチックやん。
我が子の一大事。
笑ってはいけないのは重々承知ですが、人間、絶対ダメな時に笑っていたりします。口元がゆるむ、最低な母。
今日、マスクしてて良かった。
マスクの中で必死に笑いをこらえます。
大丈夫だよ。大丈夫だから。
長男の背中をさすります。
うん。
今年は本番ではないから、私はまだ『笑える』方にいる。
でも、来年だと、きっとパニックになっていただろう。
えっ?えっ?
こんな風になるの?って。
そうかーーー
全く神経質でない、いつもゆる~い感じの長男もこんな風になるのかーー
中学受験って、気が付かされることばかり
うちの子は神経質ではなく、常にゆる~い性格だと思っていました。
何なら、私だけでなく、
長男も自分の変化に驚いていたようです。
しばらく、パチパチさせた後、収まりました。
長男曰く、
「うわーー人生でこんな風になったの、初めてかも。」
とのこと。
そうかもしれないね。
すっごく緊張したね。
びっっくりしたね。でも、しばらくしたら収まったね。
来年も同じことが起こったら、しばらくすると収まるから安心して。と声を掛けれそう。
中学校の門が見えてきました。
『入学試験日』と仰々しい立て看板が掛けられています。
中学校は、大きな道路に面しています。まだ開いていない校門。
受験生は学校側の歩道を歩き、門の前で保護者と待機しています。
先生らしき人達が、数人、受験生と保護者に「道の端に並んでください。」と整列させています。
私達は、対向車線の方、校門からはかなり離れた所から様子を伺います。
時間は7時台後半。
試験は9時から。
8時になった時、門が空きました。
ゆっくり、順番に受験生と保護者が門に入っていきます。
遠目で見つめる私と長男。
来年はあの中にいるかもしれないし、違う会場で並んでいるかもしれない。
先ほどのチック症状がすっかり落ち着き、
長男も平静を取り戻しています。
それから30分ほどでしょうか。
無言で受験生を見つめていました
受験生の保護者は、バラバラと校門から去っています。
遠目で見つめていた私達。
長男が言いました。
「6年生のみんな実力を出し切って欲しい。全力を尽くせますように。」
そうやな。
塾の自習室で常日頃から6年生と勉強していた長男には、こみ上げてくるものがあったようです。
特に最後の数か月は、10時まで自習室で勉強する6年生もいたと。
学校を休んで、朝の10時から夜の10時まで勉強をしていた子もいたようです。
8時半ごろ、長男と会場を後にしました。
帰りながら、長男は、
「勉強がしたい。」
と言い出しました。自分から言い出すなんて珍しい。
分かった。
近くのファミレスにより、2人で黙々と勉強をしました。
今頃、あの中学校の受験生は、国語やってるよね。
もうすぐ、算数の時間かな。
受験生に想いを馳せながら、今できることをしようと長男と言い合いました。
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■エピローグ■
その後、長男は何かを感じたのか、
「2月になったら毎日友達と公園に行っている頻度を控えるわ。」
と言い出しました。
もしかして、中学受験が自分事に落とし込め始めたのかもしれません。
でもやっぱり、まだまだ小学生。
急にお尻に火がつくことはありません。宿題も今まで以上に進んで・・なんてことはありません。
それでも受験まで後1年。
入試当日。
寒空の下、志望校の校門に吸い込まれていった6年生の姿を何度も思い出すのでしょう。
泣いても笑っても、
本番は来る。
その時には、「よっしゃ!この日を待ってました!」と冷静に、
前のめりになり過ぎず、
迎えられたらいいな・・と思いました。
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