皆さんもお気づきでしょうが、近年、いちいちスペックが高い人が、
「えっ、この職業?」
という所に就いていませんか。
派遣だったり、パートだったり・・
それだけでなく、以下の現象も起きています。
例えば、取引先の工場は、15年くらい前まで『高卒』の採用を積極的に行っていました。
それが徐々に4大卒にシフトし、今は大学院卒を採用しています。
職種の内容はほとんど変わっていないそうです。
現場の中堅社員の方に聞くと、「そこまで学力を問う仕事でもないのに、院卒を採っているんですよ。こっちはいいけど、本人はどう思っているか疑問です。」という声を聞きました。
この現象について、社会学者のちきりん氏がブログに発信しています。
要するに、『先進国になった日本では、大卒が増えたが、受け皿にする仕事が増えているわけではない。ひと昔前に高卒、中卒が就いていた職に流れる。高度な専門知識が活かせる職業を社会構造的に作らないと、ヤバいぞ。』という内容。
そうそう、それ。
と膝を打ちまくり、打撲するかと思いました。
うむ。
中・高卒が優れていないとか、そういうことを言いたいのでは決してありません(素晴らしい方は沢山おられます)。
時間的・金銭共に投資した学力に対し、待ち受けている職種がアレレ?だと言いたいのです。
この現象、様々な分野で見受けられます。
そして、更に複雑な構造化も起きている気がします。
例えば、つい先日、勤務先にて派遣の方が契約終了してしまいました。
この方は、コミュニケーション能力も高く、理解力もあり、すべて正確に作業して下さる方でした。
しかし、私を含め同じフロアの育休者が戻ったのと、ここ数年での機械化が急速に進み、紙と鉛筆で行っていたことの撲滅や、小さい業務改善が積み重なり・・
契約を解消することになりました。
もちろん、コロナによる売り上げ減や経費削減もモロに影響しています。
人としても、非常に素晴らしい方なので、残念で仕方がありません。
『非正規』という時点で、簡単にさよならになる事実。同じような仕事をしていただけに、うーんとなります。
この方は、数年前まで首都圏で正社員で働いていたそうです。
しかし、いろいろ疲れてしまい、故郷である関西に帰り、まずは派遣から・・とスタートしたとのこと。
ゆくゆくは正社員・・と思っても、
一度派遣になるとそのスパイラスからは早々に抜け出せない。
この遊具は、一度は入ったら外からのサポートがないと、なかなか抜け出せませんでした。
そう、
1度降りたら、なかなか登れないステージ
があると感じます。
男女問わず。
特に女性の場合は快適な職場であっても、
結婚、配偶者の転勤、出産、育児・・辞めざる得ない理由がどうしても出てきやすい。
周りを見渡しても、新卒から働き続けているか、上手に転職している人、起業している人を除き、ほとんどの方が、
パートだったり、非正規です。
どんなに優秀でも、スキルがあっても、受け皿が用意していない場合が多過ぎる。
この社会の構造、どうにかなりませんかね。
せっかく教育に投資しても、
就活のちょっとした運であったり、
新卒の会社が合わなくて、短期間だけでもゆっくりめに働きたい・・
となった場合、
たちまち非正規になってしまいます。
それを求めている場合は問題ないですが、再び正規になりたい時、ハードルが極めて高くなっている。
逆に、たまたま運よく新卒から採用されていた場合は、
近年、企業モラルが向上しており、
ラッキーな恩恵をモロに受けていたりします。
私が所属する、昭和なモーレツ社風だった企業は、
世の中の風潮に押されに押され、育休、介護給、有給も昔よりもちゃんと取りましょう!となりつつあります。
そんな中、
コロナよ
今まで、『ちょっとくらい体調不良でも出勤するべき』であった雰囲気が一新。
絶対来ないで!
にシフト。
プラスして、時差出勤であったり、在宅勤務の推奨であったり、
今まで考えもしなかった施策がサクサク実施されています。
結局、
元々ステージに登れている人は、
コロナで何だかますます手厚い部分が出てきたのに対し、
ステージに登れていない人は、
コロナで切られたり、より冷遇されている気がします。
この社会構造、どうにかならないかな。
切に思います。
冒頭に紹介したちきりん氏のブログでは、欧米では『専門的な職種を増やし、受け皿を増やしている』とありました(半面、簡単な職種は移民などが就くという複雑な社会構造になっているようですが)。
どれが正解か分かりませんが、
働きたい人が思いっきり働け、
投資した学びや技術が活かせる社会になることを強く望みます。
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