人生の師が、会社を去ります

人生には、「その人がいなければ違う歩み」だっただろうな・・と思う出会いがあります。

それはもしかして、高校時代の先生の何気ない言葉であったり、著名人の講演会であったり、当のあちら様は知らなくても言葉や出会いによって、ぐいーーんと変わることも。

私も多少なりともそのような経験をし、大人になりました。

京都タワー

たまたま最近通りかかった京都タワー。

周辺の雑多なビルの佇まいと言い、裏から見上げるのが好きです。

 

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「○○さん、1月いっぱいで退職だって。」

前部署で一緒に働いていた先輩から、年末に知らせを受けました。

 

私は12月、とっても忙しく、まぁ12月は誰もかれもサンタですら忙しいのですが、初めての喘息との闘いや、西に東への出張にヒーヒー言ってました。

その最中に聞いた退職の情報。

 

マジで?

 

○○さんは、私の入社当時の上司。

5年間、直下で働きました。

今まで出会った中で、こんなに賢い人がいるのかぁと感心した方の1人。専門分野もさることながら、ネットやサーバーにも造詣が深く、解析や処理能力も素晴らしい。

一方で、理系男性特有のシャイと言うか、コミュニケーションがそこまで上手ではない。

でも、教え方はピカ一。

右も左も分からなかったダメダメの新入社員の私に、一つ一つ丁寧に課題を与えてくれ、思考の立て方や報告方法を伝授してくれました。

今も毎日使っている標準装備の技術や思考はこの指導がベースになっています(まぁ、ダメダメは全然取れてない所もありますが)。

基礎の叩き込みがどれだけ私のサラリーマン人生を助けたことか。

 

当初、上司の知識に全くついていけませんでした。

でも、年々少しずつ言っていることが分かるようになり、さあこれから!という5年目の冬。今の部署への転勤辞令が下りました。

 

しょんぼりしていた私に、上司が告げました。

「いいですか、ぽにさん。新しい部署に行っても、とにかく技術を磨きなさい。細々と続けた技術が貴方を助ける時が来ます。淡々と、勉強を続けなさい。」

それから約8年の月日が経ち、お告げの通り、育休中も基礎勉強を黙々と続けました。

 

復帰後は、そのおかげで、細々とですが仕事が舞い込み、サラリーマンとして軌道に乗りつつあります。

 

お世話になった上司。

定年にはまだ何年もあるはず。

 

そんな方が・・辞めるって、どういうこと?

 

先輩曰く、

元々コミュニケーションが苦手な方が、マネージメントを任されるようになり、徐々にキレに陰りが差してきたと。

他部署や社外とのセッションは苦痛のようで、逃げるようにして去ってしまうことも。

組織が求める能力に、個人の特性がついていかなかったのかもね・・とのこと。

 

何も言えない。

そうですか。

私が、上司だったら、彼の特性を鑑みて、マネージメントに配置するなど絶対避けるのに・・といろいろな負の考えが渦巻きますが、もしかして本人も「やってみたい」と望んでその位置に就いたのかもしれません。

サラリーマンを続けるには、少なからず苦手なことをしなくてはいけません。

難しいところです。

 

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元上司は、もう有給消化で会社に来ないとのこと。

しかし、食い下がった私はどうしても教えて欲しい技術があるため、本日1時間だけ職場に来てもらう約束を取り付けました。

 

この数週間、準備を重ねました。

やっぱりまだまだ不格好で、ひよっこだと思われる内容になりそうです。

でも、元部下の少しだけ成長した姿をお見せしたい。そして、ご指導願いたい。

 

おそらく、人生でもう二度とお会いできないでしょう。

ただ、上司の思考や技術の組み立て方が脈々と受け継がれ、あるちっぽけなサラリーマンの人生に大きな影響を与えたことをお伝えしたいなぁと切に思うのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

10数年前の入社当時は、バリバリ系(自称)を目指してヒジ張って働いていました。 メディアに紹介され、優秀な女性として会社の重要ポストに・・と本気で考えていました。 現実は全く違い、自分の中で上々の結果だと思っても平凡な評価。現実と理想の違いに悶々とする日々。 結婚、自らの転勤、DINKSを経て、待望の子供を出産。 2回の育休を取得し、現在4歳、6歳の育児中。 もうすぐ3人目の出産を控える。 約50平米、賃貸マンションを何とか快適にと模索の日々。 夫婦共に技術系総合職、 お互いの実家は遠方(完全核家族)、 バタバタの育児、 主人は早朝(繁忙期は5時)に出社、 夫婦共に遠出の出張も・・ どこまでいけるか奮闘中の共働家、ともばたけ!