連載の続きです。
【共働きの葛藤シリーズ】
夫は特許や論文も出してノリに乗っていました。
土日は、広場で子供たちとサッカーをする夫。
そこいらにいるサッカー好きのお父さん。
初めて、大久保嘉人『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』発売記念オンライントークショーもバッチリ予約しました。オンライントークショーって、めっちゃ楽しそう!
さて、
彼の職場は、
2016年から研究トップが変わりました。
その分野で世界的に有名な方が、
ヘッドハンティングされて、就いたのです
今まで、どこかの大学や研究機関の大御所が、天下り的に就くことはあったようですが、現役バリバリの人が迎えられることは皆無だったよう。
しかも、この方はまだ若く、50代になったばかり。
研究所はザワつきました。
夫はどこ吹く風で、自分の目の前の研究に、とにかく取り組んでいました。
しかし、マイペースな彼でも、
おや?と思うことがあったようです。
その方が来られてから1年以内で、
当時の管理職が全員、替わりました
古巣の人たちは、研究とは全然異なる所、海外の営業部隊だったり、違う技術系分野(生産工場など)の管理職になりました。
そんなことをしてメリットがあるのか?
うーん。絞り出してみました。
メリット1 個人の経験が増える
その分野しか知らなかったベテラン達が新しい景色をみることが出来ます。本人が望むかどうかは分かりませんが。
日本企業の研究部署って、絵にかいたような【年功序列】。
どんなに能力が高くても、20~30代はヒラまっしぐら。
30代後半で「この分野ではこの人が1番詳しい」みたいな認識がなされ、
40代後半で、運が良ければ課長になり、部長のポストが空けばラッキー。
ヒラに近い感じで、そのまま定年を迎える人が多数。
転勤はあったとしても、
基本、ずーーっと理系の同じ分野。
それはそれで良いことですが、
出来ることも凝り固まり、アイデアが煮詰まったり、自分がこの分野の大御所だと囲い込むこともある。沢山ある。
昔はこれでも良かったんです。
時代のスピードがそこまで早くなかったから。
でも、今はスピードが全然違う!!
今まで鉛筆なめなめ長時間計算していたことが、ソフトで簡単にできたりする。
で、変化に敏感で柔軟なのは、やっぱり若い人!
オッサン達は、ついていけないと下を頼りにする柔軟性のある人もいますが、やっぱり囲い込む傾向は強いんですよね。
『部署異動』という形で、どこかで違う分野に投げ出されるのは、悪いことではない。
ほんでもって、
メリット2 組織の新陳代謝になる
夫の職場の管理職は、全員、異例の30代後半~40代前半課長となったようです。
夫も、チームの管理者となったとのこと。
若返ることは良いことです。
前記したように、古巣の管理職たちが居座り続け、『管理職』の枠が空かないと・・
下の世代の育成が全然できない。
『若返り万歳』と思う人もいたとのこと。
しかし、
数年後、大変なことを引き起こしました
そう、新しくトップに就いた人は、
初めの数年は大人しくしていたようですが、
3年ぐらいすると、
『自分のしたいこと』だけを研究員達に課するようになってきた
のです。
企業の研究って、いろんな分野がありますが、
営利企業だと大きく3つになります。
- 商品になる研究
- 既存の商品の改良のための研究
- 最先端の基礎研究
どれが最も必要かは、上席のさじ加減ですが、1と2は売り上げに直結するので力を抜くわけにはいきません。
3は未来への投資なので、大切です。
しかし、3は『今』が回っているからこそできること。
普通は、『商品になる研究』、『既存の商品の改良』に注力を注ぎ、そこで実績を出した資金や信用で『最先端の基礎研究』に取り掛かります。
しかし、新しく就いた研究のトップは、
「商品なんて二の次。最先端の研究をしてナンボ。」
という考えを色濃くしていったと。
うん。マズイね。
普通ならば、
それはマズイぞ!
営利団体だぞ!論文や研究者としての名誉が目的じゃないぞ!
お金儲けするための研究だぞ!
とアドバイスや反対をする人がいるはずが・・
古巣たちは、全員異動していました
苦言を呈する人材が、いなくなっていたのです。
若手や中堅でも、
「それは、マズイのでは?」
とトップに言った人や、彼と違う考えを持った人は、
異動になったり、意味不明の評価になり始めたとのこと。
続きます。
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