ブンブーーーン!!
ごう音を鳴らして走るスクーター。
ここは、『研究者』という高速道路。
ハイスペックで、高度な技術を搭載した車が追い抜いていく。
余裕な面持ちで。
みんな80キロなんてチョロイ、スポーツカーばかり。
そこに、1台だけスクーター。
爆音。
必死の走り。
いやいや、スクーターは30キロ規制だよね。
警官「はい、そこのスクーター、止まって。」
やはり、見つかった。
警官「貴方、高速道路は走っちゃダメでしょ。一般道を走りなさい。」
・・私は数年前、最前線の研究から外されました。
研究所勤務ではなくなり、今の部署に異動になりました。
残念ながら、搭載エンジンはイマイチ。
注目株でもなく、『何となく採用してみた』という人材。
真摯に業務に取り組んでいても、差は歴然。
基本的に研究職に就く人間は、小学校くらいからクラスでも成績がずば抜けて良かったり、中高名門校のトップ集団など、なかなかの経歴の持ち主。
医師や官職に就くのは自分には合わないんで・・という人も多い。
その中でのスクーター。
いや、よく走れたもんだ。
今となってはそう思う。
こんなロースペックな私にも実は特技が2つあります。
1つ目は、
提出物が異常に早いこと
社会人になってから、「この日までに出しなさい」と言われたものはほとんど通達があった日に出すようにしています。
誰よりも一番に出す。
これが目標。
もちろん、誤字脱字・多少文章がヘンテコな時もございます。
ただ、100時間かけた文章と10分で書いた文章では、私の場合はそう変わらない。
だって、もともと絞り出す能力がないんですもん。
ならスピードで勝負。
余談ですが、結婚式の招待状返信もこの10年、ほとんどが1番だったと思います。
「1番にはがきをくれてありがとう~」
「ぽに、レスポンス早すぎ~」
毎回、嬉しい返事が届きます。
仕事メールは、よっぽどのことがない限り、できるだけその場で連絡しています。
これって、普通じゃん!と思う人も多いでしょう。
でも、私のいる『研究』の分野では意外と難しかったり。
実験中や考察中、他人からの介入は、邪魔だと感じる方もおられます。
ここはロースペックの私。
大した考察でないため、すぐに自分の思考をストップできる。
悲しいけどこれを強みにするしかない。
『速さ』や『自分意外を優先』で信用を得る。
2つ目、
続けていること
研究者は目新しいモノ好きが多い。
だからこそ、技術が発達し、科学が発展する。
そりゃもちろん、私だって新しいことがしたい。
ところが、『最新』は回ってこない。
2番煎じ、3番、4番なんてザラ。
ニッチな分野だったり、目立たない仕事が多い。いや、それしか担当したことがない。
周りがどんなに華やかでも、与えられた自分の仕事を続ける。
時に同僚達が海外出張や目立つメディア露出的な仕事をしていても、ただただ、「よかね~」とチラ見だけして、さっさと席に戻る。
で、続ける。
注目度もはじめから低いため、たとえ失敗しても損失は少ない。
気は楽。
上手くいかなかった案件は、同じことを未来の誰かがしないよう、しっかり報告してファイリング。
これを続けていると、本当に部署として余計な実験をしなくて済むため、財産となる。
まぁ、スポーツに例えるとディフェンダーというやつですな。
得点には直接絡まない。
シュートを打つ位置じゃない。
分かりにくいため、ファンも付きにくい。
まれに玄人に褒められる。
この位置も悪くないと思うのに、時間はかかる。
さて、高速道路の数年後・・
警官は、高速道路のパトロールをしている。
相変わらず性能が高く、颯爽と走る車がいる一方、変化も。
スポーツカーはそのままだが、ヘンテコな塗装をして『痛車』となっているもの。
自ら高速を降りて、新しい道に走りに行った車も。
例のスクーターは、一般道でドライブを続けている。
全然目立ないため、しっかり探さないと分からない。
ただ、
どうやら無事故無違反らしいという噂だけ、聞いている。
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