連載の続きです。
サラリーマン勤続20年近くでやっと巡ってきた大チャンス。一方で、大ピンチでもあるのです【技術系の苦悩①】
先日。
技術系の先輩に廊下で話しかけられました。
「ぽにさん、ぽにさん。
億単位の予算もらったって聞いたよ。おめでとう!
でもさ、かなりのプレッシャーじゃないの?
精神的に大丈夫?
いやぁさ、ぽにさんとは比較にならないけど、先日・・」
先輩はこの4月より所属する技術ラボに新しい装置を導入したそうです。
その装置は、技術系メンバーみんなで使うそこそこ大きな機械らしく、
購入する前にデモ(事前に短期間機械を借りて試運転すること)を行ったとのこと。
ただ、人気の装置のためデモは数時間しか出来なかったそうです。
企業の予算シーズンは限られています。
締め切りまでに予算を計上しておかなければ、来年度になってしまいます。1年指をくわえながら見送らなくてはいけません。
期の途中で申請するのもアリですが、よっぽどのことがない限り嫌がられます。
購入するのならば、今だ!エイヤー!と本年買ったそうです。
で、実際、装置が入ったのですが、
あれ?思っていた動作と違う・・
ということが頻発しているとのこと。
その装置、人間と同じ動作ができるため人の代替として購入したのですが、
人間が行うと上手くいくのに、
機械がすると良い結果がでないという摩訶不思議な現象が起こってしまっているらしい。
オーマイゴー
技術系あるあると言えばそう(めっちゃ分かる)。
とはいえ、先輩たちが買った装置は既製品のため、
使い方が良くなかったかもしれない。
保証期間もありますし、調整や改善の余地は十二分にあるとのこと。
要するに何とかなりそう。
「その時、周りのみんなとも話してたんだよね。
いやさ、うちらの既製品を使った技術はまだいいよ。
身内だけで使う装置だし、そこまで予算もかかってないもん。
でもさ、ぽにさんの技術って、社内みんな注目してるじゃん。
億単位の投資をしてもらったことも、
他部署も技術系の人達も上層部もみんな知ってるじゃん。
私達みたいなこと、動かないことが起こるかもしれないでしょ。
メンタルどうやって保ってるの?
ある意味、プレッシャーで押しつぶされそうにならない?」
そうなのだ。
よくぞ声をかけてくれた。
さすがパイセン!
実は、億単位の稟議が通った時、私は嬉しさ反面、
プレッシャーで押しつぶされそうだった。
もう逃げられない。
やらないといけない。
まるで高所恐怖症の人が、平気!へーき!と言いながら足を震わせ飛び込む前の感覚。
平気な訳ない。
稟議が下りた数日後、億単位の発注もかけたのだ。
逃げたらいけないやつ。
サラリーマンは【雇われ】なので逃げられると言えばそうなんですが、私自身もチャンスだと分かっている。
学生時代から通算して20年以上研究分野にいますが、こんなに投資してもらったことはない。
チャンス中のチャンス。
確実に決めたい。
そんな時、
試験をしていると、突然、
プログラムが、正常な動きをしなくなったのです
あれ?
おかしいな。
新しく演算したデータが、期待していた結果にならない。
なんなら、全然上手く行っていない。
ん?なんでだろ。
今まで上手くいっていた違うデータをよっこらしょ!と出してきて演算させても、
なんかおかしい
ん?
さっき、ちょっといじったからかな?
ん?ん?
てか、さっきの修正したおかげで、
プログラムの矛盾点がなくなったハズなんだけど。理論上。
矛盾点がなくなると、結果が出なくなるなんて。
待てよ。
ということは、
今までのプログラム、間違ってた?
サーーーと血の気が引きます。
予算、通してしまったぞ。
発注ももうかけてるぞ。
暑い季節なのに、冷や汗が止まりません。
どこかでセミの劈くような声がしました。
続きます!
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