【最終話】億単位の予算をかけたプロジェクトが頓挫するかもしれない話

前回、前々回の続き。最終話です。

【前編】億単位の予算をかけたプロジェクトが頓挫するかもしれない話

【中編】億単位の予算をかけたプロジェクトが頓挫するかもしれない話

研究職の現実は、思いもよらないことばかりが起きます。

どれだけ、上手くいってそうなプロジェクトでも・・

 

共同研究をしている他社は、他分野ではありますが非常に技術力がある。

その方々が「マズイ」と思っていることは、

まず、マズイのだ。

 

とはいえ、こちら側にできることは、思いつくことは全部手を打ったつもり。

うーん。

WEB会議、抜本改良の提案、そして未来へ

全データを洗う

 

我々は全データを整え、共同研究先とのWEB会議の準備をしました。

入念にチェックを行った結果、計算自体には誤りは見つからず、

不具合はやはり再現性を持って出ていました。

もっと早く気が付けなかったかのか。

いや、このタイミングで試験を重ねたからこそ見えたこと。事前に気が付くことは、ちょっと厳しすぎる。

 

ということは、

やはり、

抜本的な設計変更が必要か。

 

投資してきた資金を解かすことになるかもしれない。

 

その夜は眠れませんでした。

 

普段は長男の中学受験のサポートや次男のサッカー、

三男の保育園の送迎などで寝落ち常習犯の私が、

眠れないなんて由々しきことです。

 

億単位を解かす・・

 

いち研究員が背負うことではないですが、誰がどの角度からみてもプロジェクトリーダーは私。

周囲を焚き付け、応援してもらい、予算を勝ち取ってきたのも、自分だった。

責任はやっぱり自分にある。

 

ちっぽけなヒラ社員という立場ですが、リスク ゼロで進めている訳ではない。

何かあった場合、上が責任を取るのが組織。

でも、実情は、内側では担当してきた人物が・・いろいろ被る。

中の人には、中の人達の人間関係があるのだ。

 

次の朝がきて、WEB会議の時間となりました。

 

うーん。

胃が痛い。

共同研究先からの意外な一手

そんな中、

WEB会議で、共同研究先がこう提案してくれました。

みなさん、

抜本的な改良をすることにしませんか?

弊社の技術なら、何とかできそうです。

耳を疑いました。

えっ?

そんな簡単にできるの?

 

画面に共有された新しい設計図やフロー図を見ると、

「なるほど、これならいけるのでは」

と希望が湧きます。

 

ドラマのような涙や万歳こそ起こりませんが、

関係者はやや上ずった声でやり取りを交わします。

現実のやり取りは冷静です。

 

「なるほど、良い案ですね。ちなみにこの変更を行うと納期やスケジュールはどうなりますかね?」

ビジネスの場面では感情よりも現実的なスケジュールとコストの話が優先されます。

誰もワタワタしませんし、嬉しさが飛び交うわけでもありません。

それでも確実に前に進む。

お金が人を動かすという現実

共同研究先の方が、

その後に言ってくれたことが胸に刺さりました。

ぽにさんの企業さんは、既にちゃんと振込を済ませてくれています。

本気度が違うと受け取っています。

引き合いに出す訳ではないですが、他の企業さんで真剣に打ち合わせを繰り返したものの、やっぱり辞めますと破談になる場合もあります。何もお金が発生しないまま、人件費だが消えていくパターンが意外に多いのです。

我々は営利団体ですし、マネタイズは大事です。

多額のお金が発生しているからこそ、弊社としても必ずやってみます。

こちらも必死です!

 

そうか。

 

私はこれまで「お金が発生していること」にビビっていました。

あぁ、もう早く気が付いていれば、ここまで投資する前に気が付かなかった自分の落ち度・・とも思いました。

 

しかし、実務としてはお金が既に動いていることで周囲の真剣度が確実に変わる

対応も変わる。

なんなら、

技術も未来も変わるのだと実感しました。

まだ闘いは続くが、未来は見え始めた

 

とはいえ、

共同研究先の提案は、あくまでも発案の段階で100%ではありません。

でも「解決できそうだ」という光が見えたことは事実。

 

もちろん、まだまだ課題は山積みでが・・

新しい技術が実装できる未来を手繰り寄せるため、

これからも踏ん張っていくしかありません。

って、

しんどーーー!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

10数年前の入社当時は、バリバリ系(自称)を目指してヒジ張って働いていました。 メディアに紹介され、優秀な女性として会社の重要ポストに・・と本気で考えていました。 現実は全く違い、自分の中で上々の結果だと思っても平凡な評価。現実と理想の違いに悶々とする日々。 結婚、自らの転勤、DINKSを経て、待望の子供を出産。 2回の育休を取得し、現在4歳、6歳の育児中。 もうすぐ3人目の出産を控える。 約50平米、賃貸マンションを何とか快適にと模索の日々。 夫婦共に技術系総合職、 お互いの実家は遠方(完全核家族)、 バタバタの育児、 主人は早朝(繁忙期は5時)に出社、 夫婦共に遠出の出張も・・ どこまでいけるか奮闘中の共働家、ともばたけ!