前回の続きでございます。
億単位の予算をかけたプロジェクトに暗雲が立ち込めてきたお話。
現場でちょっとした『違和感』を覚え、共同研究をしている他社に相談したところ・・
重大な見落としだったかもしれないとのこと。
うん。
さて、
技術に「100%はない」と思い知る組織の壁
技術に100%は存在しない
ここで最近、技術系として勝手に思っていることを一つ共有します。
技術に「100%」は存在しないということです。
技術を実装しようとすると、完璧を目指すあまりいつまで経っても完成しない場合があります。
偉大な芸術家だって、美術館に飾られている作品を見て「まだ手直ししたかった」と思うことがあるはずです。
つまり、慎重すぎると技術という“作品”や“投資”を進める際に及び腰になってしまう。
新しい開発で世界と戦うためには、適正なリスクは取らねばなりません。
上層部の交代が招く混乱
しばらくプロジェクトに関わっていくと、あれもこれも『完璧』は無理。
関係者の間で「どこかで落としどころを探さないとね」という暗黙の了解が広がります。
技術の完成度、予算、スケジュールや納期などなど。
関係者は言わずもながでそれを心に刻み、
少しの諦めをしながら進めます。
ですが組織は、甘くありません。
全然違う方向から、後頭部に飛び蹴りキックをしてきます。
要するに、身内から致命傷となる邪魔が入るのです。
意地悪とかではなく、無意識に。
一番怖いのが、
開発途中で担当者が変更すること
年度が替わると、
技術に携わったことのない方が担当になったり、
上司に就くなんてことは多々あります。
そして、ちゃーんと歯車が狂います。
私のチームでは全データを解析し、
シミュレーション可能なあらゆる角度から分析してリスクを低くして進めていたつもりです。
しかし、今年度の初めに私自身も直属の上司が変わってしまい、
非常に慎重派の方がやって来ました。
さらに、社内で本技術を二人三脚で進めている他部門。
そのトップも交代。これまたすごーく慎重で有名な方。
なんと!長年一緒にやってきた他部門の担当者は営業職に異動してしまいました。
おいおい。どーすんねん。
会社の上層部という雲の上の人々の何気ない『駒の異動』が、
技術の大事な部分をぶった切ってきます。
平気で。
潰したいんかな?と思うくらい。
執念と怨念で乗り切った実験ラッシュ
億単位の予算がかかったこのプロジェクト。
とはいえ、企業のお財布担当者も、技術担当をする我々もアホではない。
一気にドン!と使うのではなく、
開発をいくつかのステージに刻んで、その度に一定の額を投資してもらっています。
ちなみに、我が部署が負担する予算は全体の1/3。
ステージは全て完了し、昨年度に支払いも完了しています。
本年度、残り2/3を他部門に負担してもらうことになっていました。
しかーし、
他部門の上席が変わったことで大いに渋られました。
同じ会社なのにフォーマットもハンコの位置や数も変わる――縦割り組織の壁は本当に高いのです。
「あのデータも」「この試験も」「もっと確認を」と要求され、
結果、
全てやることに。
努力や根性の域ではなく、もはや執念と怨念で、6〜8月にかけて恐ろしく多くの実験を組み、オーダーされたシミュレーションをすべて完成させました。
そのかいあって、ようやく予算が下りました。
「うぉーーやったー!」
とかの歓喜なんてございません。
社内チャットの文面は冷静です。
一昨日、お支払いが終了しました。以上。
ドラマのように拍手が湧くでもなく、社内ではそれだけで終わるのが現実です。
予算は何とかなった。
後は技術を作り上げるだけ。
残るは“微弱だが再現性のある”違和感
さて、冒頭の続きに戻ります。
我々が見つけた違和感は、確かに軽微でした。
毎日データを見ていれば気づく程度で、40回に3回くらいの頻度でごく微弱に出る。
ただし、完全に無視できるものではなく、
根本的な原因が設計にある可能性が高い――そう判断しました。
そして、一緒に研究している他社が、
重大な見落とし
だと言い切ってきました。
うん。逃げたい。
もう、嫌や。
なんでこんなプレッシャーがいっぱいかかることばかり起こるんや。
給与もヒラの分しかもらってないぞ。
「逃げますか?どうしますか?」と脳内に選択肢が現れます。
今、AIやプログラミングと独自の専門性をミックスした研究をしています。おそらく、転職市場に行けば喜ばれる技術キャリアだと予想します。
逃げるか?
普段RPGをしない私でも、選択肢ははっきりしています。
➡ 逃げる。
➡ 逃げずに戦う。
逃げたいけど・・世界陸上の100m並みの最速で逃げて、
他の業界や全然違う所に転職したい!とも思います。
ちゃーんとチラつきます。
でも、
逃げません。
これまでに数えきれない嫌なことを経験してきたからです。もっと嫌なことゴマンとあったわ。
踏ん張ってやり遂げる。
それが私の選択。合っているかどうかなんて知らん。
続きます!
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