教育が無駄にならないと思った瞬間

昨日のことです。

 

PC画面の前で私は焦っていました。

いや、焦っているなんて暇はない。

もう、、時間がない!

とにかくあれこれ試していました。

今までうまく行っていた実験が、進んでくれないのです

 

というのも、実験材料を少ーーし変えました。

材料のロットを若干変えたのです。

といっても、ほぼ同一。今までも変えたことはありました。

 

なので、理論上は上手く行くハズ。

PC上でも何度もシミュレーションしたもん。

計算も上手くいく・・

 

ん?

あれ?

結果が全然でない・・

 

で、パニック。

ここ数か月で組んだプログラムがおかしい?

いやいや、演算は合っているしコードエラーもでていません。

おかしい。

焦る。

 

今週中に結果が欲しいと共同研究しているお相手から言われています。

はいはい。いつも通りすぐに出来るものだと思っていました。

んが、できない!

 

そうこうしているうちに、結構大事な会議の時間になりました。

上司に理由を説明し、急ぎの解析ができていないのでスキップさせて欲しい旨を話しました。OKもとれました。

 

この上司、50代の方ですが、昨年から私が社内講義を務めるプログラミング講義に参加してくれています。

間違いなく上司ですが、プログラミングにおいては私の生徒。

 

受講生のメンバーを部門のトップに告げた時、

「年齢上の人、必要かな~。50代の人を入れるよりも、その席は若い人を入れた方が・・」

と怪訝な顔をされましたが、押し通しました。

 

私も無駄かな・・と半分思っていましたが、50代も65歳まで働くのならば、まだ10年会社に残ります。

その間に新しいスキルを習得してもらえると助かる。かもしれない。

 

実際、講義が始まるともちろん若い20代の人は吸収が早い。

でも中堅~50代は、

アイデアの幅が広い。

このプログラムを応用すると、あの仕事がラクになるかもね~なんて、講義中に教えてくれることもある。

彼らの社内経験は全く無駄ではない。

むしろ、

リスキリングは中堅以上に限る

と講師をしているからこそ、個人的には思ってしまいます。

 

さて、昨夕。

会議をスキップし、作業や計算を繰り返していると、

とうとう終業時間残り30分になってしまいました。

基本、残業禁止の我が部署。

以前はOKでしたが、ここ数年でダメ!届け出を出して!という制度になりました。

本日、届け出を出していない。届け出の提出は16時まで。完全アウト。

帰らないといけない。でも終わらない。

 

いや、少なくともある一定の所まで終わらせないと。

だって、明日から、

泊りの出張!

関東に1泊2日の出張じゃないか。

 

今日は火曜。

水・木に出張すると締め切りの金曜しか作業時間がない。

しかも、金曜には数か月に1回の研究発表会がある。

また、別件で次の週に開かれる役員発表の研究資料も締め切りがその日。

ついでに言うと、次の週の週末から海外に10日間出張ね。

どんだけ重なるねん!ワタシ。

 

うん。

無理だろ。

いや、試験がちゃんと結果が出ていたら何とかなっていました。

ただ出ていないので、やり直さなくてはならぬ。

たぶん、最初から。

 

最初からするには、明日、自分のいない間にテクニカルを担当してくれるスタッフに指示書を作成せねばならぬ。

同じプログラムだとまた同じように結果が出ないので、若干プログラムを書き換えるべき。

PCに向かってパチパチ計算。

めーっちゃ慌てている自分がいます。

これはどこかでミスが起きそう。

長年の経験で分かります。

 

こんな時はどうする?

誰かに相談する

 

今まではプログラムを一緒に作り上げていた後輩がいましたが、残念なことに日本企業の仕組みに辟易し、退職しました。

そう、彼の分まで私の仕事は山のようなっています。

後輩がいなくなり困ることは沢山ありますが、顕著なことのひとつは、プログラムや実験で引っかかった時に、同じ視点に立って打開案を考えてくれるメンバーがいないこと。

やっぱり技術は論文や報告書などの『紙で残す』だけでなく、『人』が残すもの。

辞められたら、大変なことになる。

で、なっている。

相談する人がいない・・

 

ダメ元で、50代の上司に今書いているプログラムについて、「ちょっと頭を整理するために話を聞いてもらえませんか」とお願いし、説明してみました。

なるべく、初心者にも分かるように丁寧に説明したつもりです。

私も、細かく現状を第三者に伝えることにより、何となく頭の中も整理されてきました。

 

すると、上司がおもむろに、

「ぽにさん、僕がプログラムを書けるわけではないけど、君が講義で教えてくれた『○○』の方法を応用してみたらどうだろ。」

と言ってるではないですか。

「初めから全部やり直すよりも、『答え合わせをするプログラム』を書いてみたら?『○○』のコードって、それが出来るって言ってたよね。時間も労力も短縮できるのでは?」

それだ!!!

私は大先輩を前に、「それだ!ナイスアイデアです!」とひざを叩いて、PCに向かいました。

ありがとうございます!

 

上司は驚きながら言います。

「お役に立てて何よりです。困っていると思うけど、一旦切り上げるのも1つだよ。金曜に間に合わなければ、僕が先方に交渉するから。」

分かりました。

打開策が出てきそうなので、そっちを採用します。

 

ということで、私は新幹線で上司がヒントをくれたプログラムを組み立てています。

 

1年前に張った伏線。

50代にもプログラミングを教える

というトリッキーかもしれない選択が、講師である自分自身を救いました。

いやはや。

分からないものですな。

 

そして、何となくですが、

打開できそうな兆しがあります。

完全ではないですが・・

 

『教育』って、本当に大事!と思った瞬間でした。

ではまたです!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

10数年前の入社当時は、バリバリ系(自称)を目指してヒジ張って働いていました。 メディアに紹介され、優秀な女性として会社の重要ポストに・・と本気で考えていました。 現実は全く違い、自分の中で上々の結果だと思っても平凡な評価。現実と理想の違いに悶々とする日々。 結婚、自らの転勤、DINKSを経て、待望の子供を出産。 2回の育休を取得し、現在4歳、6歳の育児中。 もうすぐ3人目の出産を控える。 約50平米、賃貸マンションを何とか快適にと模索の日々。 夫婦共に技術系総合職、 お互いの実家は遠方(完全核家族)、 バタバタの育児、 主人は早朝(繁忙期は5時)に出社、 夫婦共に遠出の出張も・・ どこまでいけるか奮闘中の共働家、ともばたけ!