ある朝、会社に着くと部署のトップより、
「ぽにさん、30分後ちょっといいかな?課長数人と主任も呼んでいるから。」
と言われました。
はい。承知しました。
何だろ?
30分後、会議室に入る私。
技術導入のために、西へ東へ出張に一緒に赴いている先輩も座っていました。
ん?
さて、部署のトップより、
「先日、○○取締役から提案があって、大きなプロジェクトが立ち上がることになりました。」
へー。
○○取締役って、前に私のプレゼンについて、熱心に質問やアドバイスをしてくれた方だ。
【ともばたけ】【しごと】
「この資料を読んでみてくれないか。」
綺麗な装丁のそれは、何だか難しい雰囲気。
でも正に、先輩と私が1年以上追っている技術導入にガッツリ被っていました。
あっ、分かった。
このプロジェクトにのるってことね。
それは嬉しい。
単発で講習会に行ったり、予算を取って来たりするよりも、組織化された方がやりやすいもの。
トップが続けます。
「このプロジェクトは3つセクションに分かれて進めることになりました。
1つのリーダーは、うちの部署の□□君にやってもらうことが決まりました。」
□□君って・・先輩ですやん。
凄いじゃないですか!大抜擢じゃないですか!
やる~~
じゃあ、セクションメンバーに私を選んでください。頼みます。
「そして、もうひとつのリーダーに、ぽにさん、君が選ばれた。」
えっ、
えーーーーー
今、何て言った?
ぽにさん、君が選ばれた
うっそん。
何をおっしゃるウサギさん。
私は、リーダーとか、キャプテンとか、したことございません。
その他大勢。野次の1人。
答弁とかで、「そうだー」とか言っているおっさんのようなもの。
「どうだい。□□君やってみないか。」
いつもクールというか、冷静沈着な先輩、何ていうのかな。
「何でもやります。」
マジか!!
ガラでもない。意欲的じゃん!!
「ぽにさんは、どう?」
えっ?私?
「こっ光栄です。」
部署のトップは満足そう。
その場で解散となりました。
でも、この組織、プロジェクトの監査役に、中堅のギラギラ上を狙っている系の社員が8人ほどついています。
私の下に数人付けてくれるようですが・・これ、きっと、名ばかりリーダーではないか。
昔、ファーストフード店で、あったやつやん。
店長とは名ばかりで、ブラックな働き方をガンガンするやつ。
うちの会社は残業ガンガン・・はないだろうけど、リーダーが一番下働きせなあかんやつちゃうの。
課長と主任が私のところに寄ってきてくれました。
「ぽにさん、光栄なことやけど、これ大変なことやわ。」
「やっぱりそうですよね。」
「うん。この監査役達が、自分の意見をガンガン採用しようとすると思うよ。」
そうなのだ。
実年齢にして、おそらく7歳前後上の方々。
最も会社で注目されていて、この中から次世代の取締役とかが選出されるのでしょう。
私とは話したこともない方々ばかり。
その中には、『クセモノ』と言われる人も勿論混ざっています。いや、申し訳ないのですが、私にしてみると皆さんクセモノに見えます。
無理難題を言われるに決まっている。
「ぽにさん、今、結構いろんな業務を併用していて、仕事パンパンでしょ。そこにリーダーって、だいぶハードやで。」
ほんまや。
そして、このプロジェクト自体、
こけるのは痛い。
世界の同じ分野の会社(と言っても狭い分野ですが)よりも、私達が一歩も二歩もリードするために、走り出しとかないとと常に考え、出張や技術向上を繰り返していました。
自分の評価がどうの・・とかではなく、負けられない分野と確信したからこそ。
で、私はそこまでの能力を持ち備えていない。
荷が重いし、仕事もパツンパツンだ。
光栄ではあるが、厳しい。
気が付けば、私は自分の課長を誘い、
再び部署のトップにこう言いに行っていました。
「プロジェクトリーダー、辞退させて下さい。」
続く。
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