キットカットを手に持って、じっと見つめる私。
そうか・・
私は所詮、サラリーマンなんだ。
分かっている。分かっていた。
分かっていたけど・・
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私は勤続10数年になる技術職の平社員です。
先月、遊びに行った公園で息子を追いかけていました。
ここしばらく、仕事が立て込み多忙でした。
大至急の依頼を受け、上司だけでなく大ボスからも結果を早急に出すように言われていました。
トイレや休憩時間も取れないくらいバタバタ。
もちろん、1人では手が足りず、後輩を1人専属で付けてもらい大急ぎで作業。
有難いことにフロアのメンバー達も、実験器具や機器を優先的に使わせてくれ、総力体制で支援してくれました。
以前記事にしましたが、私の部署は守りの部門。
ミスをすれば、社内外から猛攻撃。
成功して当たり前。出来て当たり前の部門。
結構ツライものがございます。
デキル後輩のおかげで、スルスルと事が進み、正確なデータが出てきました。
私は現在、夜30分の時短勤務ですが、残業申請を済ませ、何とか予定よりも早くに結果を絞り出し、大ボスに提出。
大ボス「ありがとう。ご苦労様。」
お客さんにも社内外にも迷惑をかけずに済みそうと安堵し、慌てて家路に。
急がないと保育園の延長時間にも間に合わない。
はぁはぁ
セーフ。
「遅いよう~」と抱き着いてくる子供達に癒され、ごめんね。と謝りながら車を走らせる。
帰宅後。
朝に作っておいたカレーを食べ、バタバタとお風呂、寝かしつけ・・
ゆっくりしたいところですが、仕事に押されて子供達との時間が割愛される。
なんだかなぁ。
何のために仕事をしているのだろう。
家族で幸せになるためじゃないのかな。
こんなので良いのかな。
やっぱり自分のためかな。
何だが良く分かんないや。
深く考える前に、とってもくたびれていて、眠気が思考を遮ります・・
次の日、最終的にまとまったデータを出し、バタバタ劇に終始部が打たれました。
よかった。
社内のメールで大ボスがいろいろな部門に結果を配信していました。
各部門から大ボス宛に、「ありがとうございます」「早急に対応して下さり感謝しています」など嬉しいメールが送られてきました。
十数人のメーリングリストの中には、私や後輩も入っており、一連の内容が分かりホッと安堵。
そして、今回の結果がファインプレーで、光栄なことに地味な我々の作業が皆を助けたのだと知りました。
片付けをしている私の元に、大ボスがやってきました。
大ボス「はい、ぽにさん、これお駄賃。」
渡されたのは、『キットカット』ファミリーパックの中の2つ。
おそらく、私と後輩の分。
私「ありがとうございます。後輩と分けます。」
満足そうにその場を後にする大ボス。
でも・・
キットカットを渡され、無言になってしまいました。
トイレにも行けないほどバタバタし、家でも仕事の段取りを考え、いかに効率的に動けばスムーズに進むか夜な夜な考えた最近。
業務外の妄想みたいなものなので、別に残業代が欲しいとかそんなことではないのですが、私なりにひたむきに取り組んできたこと。
少なからず、子供達にも影響しました。
それを対価にすると、キットカット1つ分のことなのか。
もちろん、給料は頂いてますが、なんだろう。
このモヤモヤは。
そういえば、大ボスが皆に配信したメールには、誰がその業務を担当したか一切書いていませんでした。
メールメンバーに入れてくれただけ感謝するべきなのか。
私は所詮、平のサラリーマン。
部下の動きは上司の指示。
部下の手柄は上司のなんとか。
それが、サラリーマン。
でも・・
連日の疲労で、消耗している私は、余裕がなく思考回路がショートしているのか。
そして、同時に、
「もしも自分が上に上がったら、後輩や部下にこんな思いはさせたくない」という考えがフツフツと湧いてきました。
自分だったら・・結果の発信と共に、担当者への労い、フロアメンバーの配慮の感謝も添えたいと思いました。
じゃあどうする?
上に上がるか。
今まで全く考えなかった、会社で上に上がるという選択肢がチラリと頭の片隅に過りました。
ないない。
その前に上がれないって。
と思考を消そうとしましたが、いや待て。
キットカットを片手に考える。
「きっと勝つ。」
受験祈願にダジャレで使われるこのお菓子。
会社で上を目指すのも、あながち、悪くない考えかもしれない。
頑張ろうか、いける所まで頑張ってみてもええか。
ええじゃないか。
新しい決意が私の中でチラリと芽生えそうになる。
それは小さ過ぎて、今にも消えそうですが、大事に育ててみたい。
でも待てよ。
「きっと、カットされる。」
とも取れるか・・
キットカットを見ながら、新たな決意に迷う・・入社10数年目の冬が始まろうとしています。
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