小学生の頃のマット運動。
開脚前転、後転、そくてん・・私は、下手でも上手でもどちらでもなく、フツーの生徒でした。
同じように教わっているのに、クラスに1人か2人は習ってもいない『ハンドスプリング』や『バク転』がいつの間にかできるようになっていました。
すごいなぁ・・
どうして同一の学び方でもこれだけ差がでるのかしら・・
さぁ、コーヒーでもどうぞどうぞ。
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突然ですが先日、会社、辞めようと思った出来事がございました。
とうとう、育児と仕事の両立に限界?
パワハラが厳しい?
合わない人間関係に悩んで?
全部違います。
聞いて頂けないでしょうか。
実力の差をまざまざと感じてしまったからです。
この4月よりあるプロジェクトがスタートしました。
新しい学びに取り組むために、外部講師を招き入れ、月に1回講義を受ける内容です。
生徒は社内から10人。
毎回課題や復習をしてくるように宿題も出され、メンバーはそれぞれ自分のできる範囲で取り組んでいます。
1月の時点で、第10回目が終わり、自分がどれだけできたか、また他の参加者がどれだけできるか小さなお披露目会がありました。
小学校のマット運動、ミニ発表会のよう。
飛び込み前転→開脚前転→ブリッジ→・・・
というように、学んだことを自身で構成し、皆の前で演技。
さて会社。順番に発表している最中、1人、ずば抜けて素晴らしい発表をしている生徒が。
皆がマット運動をしている中、いきなり『あん馬』を出してきて、クルクル回転したり、倒立をし始めた感じ。
えっ、そんなの習ったっけ?と質問すると、
「いや、厳密には習ってはいませんが、前転の時に学習した腹筋の使い方で応用すれば、これもできるようになります。原理は単純です。」
と言い出す。
待て待て待て。
前転の知識で、あん馬はできないだろ。
なまじ自分も講義を受けていただけに、「うそー」と思ってしまいます。
そんな彼は、私の前部署である研究所のスーパーエース。コミュニケーション能力も高く、プレゼン能力も優れている。
彼の発表、私がもしもこの講義をあと5年受けたとしても、できるか・・いや無理だ。
素晴らしい。ミニ発表でこのレベル。
噂で聞いたのですが、センター試験理系科目全部満点。日本最高学府のテストも満点・・
ポテンシャル、違い過ぎ。
ここまでまざまざと見せつけれると、言い訳もできなくなります。
今まで、できないことは、『育児が大変だから』『時間が足りないから』とか思っていましたが、その根幹にある『能力が足りない』という点には正直怖くて触れられませんでした。
落ち着いたら私もできるようになる。
と思うことで周囲と差があっても平常心を保っていました。
ところが、今回、自分に余裕ができたとしても、時間をかけても追いつけないであろう実力の差を目の当たりにしてしまいました。
私、技術職、辞めよう。
本当に本当に泣きそうになりました。
たぶん、誰もいなければ私は泣いていました。
どうしたら良いのかな。
発表が終わり、私は連日考えています。
技術系を辞したからといって、営業や他の業務に経験値もなく(おそらくセンスもパワーもなく)・・異動は厳しい。
そんなことを考えるよりも、目の前の課題をきっちり習得するしかないのは分かっているのですが、ザワザワする心。
どうしても追いつけない能力の差に愕然とします。
マット運動の時はどうだったかな。
授業で多くの児童が『そくてん』を出来るようになったころ、良くできる子は合わせ技で宙返りみたいなこともしていた・・
皆の技術が上がったら、リードを奪われないように、彼らも彼らで必死に向上していました。
そうだそうだ。
スーパースターが発掘されるのは、その他大勢という挑戦者たちがいたから。
会社はメーカー。その他大勢の技術の向上が、スーパースターの心を揺さぶり、より良いモノづくりを引き出してくれるかもしれません。
がっつりその他大勢の私、やっぱり前に進もう。
きっと地味な『前転』の繰り返し。
華やかではない。
ただその足先の伸びや、着地点の上達に、スーパースターが「へぇ、やるじゃん」と思ってくれれば儲けもの。
技術が1ミリでも前に進むために、その他大勢として刺激を与える存在になるのは、悪くない選択かもしれません。
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