育休中のおっさんが、子育て広場に通い詰めたらどうなるか【夫のエッセイ】

ジェンダーの壁ってあると思います

 

本当はあるべきではないと個人的には思います。

しかし残念ながら、差別まではいかずとも区別レベルでは多々存在します。

 

男性社会で女性が働くのも、苦労があると思いますし、

女性ばかりの集団に男性がいると慣れない風習にとまどう。

 

そう、今回は『子育て広場』に参加したお話

子育て

育休の初めの1か月は育児と家事のことで手一杯でした。

 

育児では赤ちゃんのおむつ交換、ミルクをあげる。

そのあと、部屋の掃除と洗濯機を回し、買い物へ。

買い物から帰ってくると、また赤ちゃんのおむつ交換とミルクの時間。

晩御飯を作るのにも一苦労。

勝手がわからないから、段取りも悪い。

晩御飯ができたと思ったら、保育園に通っている次男のお迎え。

次男が帰ってくると、次男の対応に追われる。

次男の対応が終わると、長男が帰ってくる。

長男の宿題や身支度、明日の用意のフォローが終わると、妻が帰ってきて晩御飯。

 

・・・とまあ、育休始まって1か月の間はとにかく、他に目を向ける余裕がない状態でした。

 

会社のように、仕事の期限やクオリティを求められないので、働いているときよりは精神的な余裕はありますが、育休1か月は怒涛のように過ぎていきました。

*ちなみに、赤ちゃん(三男)の入院もあり、なかなか慣れない時間を過ごしました。

 

育休も2か月目に入ると、自分のペースもつかめ、家事や育児の段取りもよくなってきました(←ベテランお母さんにとってはまだまだだと思いますが・・・)。

 

今まではこなすことが手一杯で、プラスのことがしてあげられませんでした。

少し余裕も出てきたので、赤ちゃんにとっても刺激的な時間を与えてあげたい。

っと言うことで、

子育て広場デビューを決心しました

 

男性が育児に参加するのがだいぶ浸透してきていますが、育休を男性がとっている例は身近ではほとんどない。

 

少なくとも僕が暮らす地方都市では、子育て広場は女性の独壇場です。

子育て広場で男性が顔を出すのは・・・正直勇気がいります。

 

よく言うと寛容、悪く言うと事なかれ主義の僕。

出来れば、子育て広場に参加しないで、余裕を持った時間は家でゆっくりしたいところです。

 

「赤ちゃんのため」「自分自身の経験にもなる」

この2つを自分自身に言い聞かせ、子育て広場に行くことにしました。

 

ええ。

めちゃくちゃ緊張しました。

 

すでに用意された道を進むのではなく、新しいところに飛び込むのには勇気がいります。

 

大学を卒業して16-17年、僕は同じ会社に勤めています。

 

裏を返すと、20年近く、すでに出来上がったコミュニティーの中で生活しており、新しい環境に飛び込んだ経験がありませんでした。

 

ママ友たちの輪が出来上がっている子育て広場に参加するのは・・・正直しんどかった。

 

初めに行った子育て広場は、すでに妻が育休中に通っていた場所。

場を温めてくれていた所でしたが・・・

 

やっぱり緊張しました。

 

そこは7-8人のママさんと子供たちがいる空間でした。

ちなみに、僕の育休は2020年8月~11月中旬まで。

コロナ禍でしたが、緊急事態宣言までは出ておらず、マスクと各種感染対策をした上で、慎重に子育て広場が開催されていました。

見えない壁が見える・・

勝手なイメージかもしれませんが、男性が入り込めないような結界が張られていました。

 

「南無阿弥陀仏、何妙法蓮華経」

「エロイムエッサイム」

「気合いだ~気合いだ~気合いだ~」

「体にピース」

思いつく限りの自分を守る言葉を頭の中で唱え、何とかその結界内に入り込みました。

 

もちろん、それで終わりではありません。

まだまだ、色々とハードルがあります。

 

それはママさんたちとのコミュニケーション。

話をしないなら、家で時間を過ごしているのと同じ。

とにかく、コミュニケーションをとろう。

 

自分自身に言い聞かせました。

 

ただそこでもわからなくなります。

 

話しかける話題を何にしようか?

いきなり女性に話しかけるなんて、ナンパじゃないか?

そもそもこんなおっさんから話しかけられたら、不気味がられるのではないか?

「私に近づくために、子供の話題で近づいてきているではないか?」と思われたらどうしよう。

「あやしいものじゃありません」と切り出したら、余計にあやしい。

 

う~~ん。

 

う~~ん。

 

どうしよう。

 

こんな時は立場を変えて想像してみよう。

男性の集団の中に、一人の女性が入ってきて話しかけるのをイメージ、イメージ。

 

女性が話しかけてきてくれたら・・・

これ、めちゃくちゃうれしいじゃん。

 

・・・と言うことは逆に、話しかけたら、めちゃくちゃ喜ばれるのではないか?

いや、それは僕が男だからか?

女性はどう思う?

ある人に話しかけたら、他の人が「なぜ、私には話しかけてこないのか?」と不機嫌にならないか?これ自意識過剰か?

こういう時は、集団の中でボスを見つけ、その方に話しかけるのが鉄則?

 

いや、やっぱり男性が話しかけたら、警戒心を抱くよな。

 

色々、考えた挙句、答えがわからなくなってしまいました。

追い詰められた人は怖いものがなくなる。

 

勝手に追い詰められ、勝手に怖いものがなくなりました。

 

結局、ママさんたちに話しかけてみました。

「こんにちは。お子さん何歳ですか?」

何このへたくそな声掛け。

この言葉選び、あ~やっぱり僕はもてないな~。

 

ママさんは警戒心を抱きながらも、質問に答えてくれました。

 

手と脇は汗にまみれていましたが、レッドカーペットを歩くハリウッドスターのように、僕はできる限り余裕の表情を繕っていました。

 

弱い人間はどうしてこうも、自分を素直に出せないのだろう?

 

ママさんたちと話をしながら、もう一人の自分自身ともがいていました。

はじめは警戒心を抱いていたママさんでしたが、徐々に打ち解けてきました。

※もちろん、あくまで表面上ですが・・・

 

会話が途切れると・・・

「どう?初めての子育て広場、楽しい?」とわが子(赤ちゃん)に声をかける。

言葉もわからない赤ちゃん。

当然、何のリアクションもしないのですが、子供と遊んでいる父親としてこの時間をやり過ごしていました。

 

ようやく1回目の子育て広場デビューをすることができました。

 

はぁ、ドッと疲れた。

 

赤ちゃんも疲れたみたいですが、僕も疲れた。

家に帰ると一緒にお昼寝をしました。

 

1回で辞めておこうかな・・

 

疲れに心が折れそうになりましたが、

この後、

僕は育休中の数ヶ月間、

週2回開催される地元の子育て広場のレギュラーメンバーとなるのです。

 

つづく

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ABOUTこの記事をかいた人

10数年前の入社当時は、バリバリ系(自称)を目指してヒジ張って働いていました。 メディアに紹介され、優秀な女性として会社の重要ポストに・・と本気で考えていました。 現実は全く違い、自分の中で上々の結果だと思っても平凡な評価。現実と理想の違いに悶々とする日々。 結婚、自らの転勤、DINKSを経て、待望の子供を出産。 2回の育休を取得し、現在4歳、6歳の育児中。 もうすぐ3人目の出産を控える。 約50平米、賃貸マンションを何とか快適にと模索の日々。 夫婦共に技術系総合職、 お互いの実家は遠方(完全核家族)、 バタバタの育児、 主人は早朝(繁忙期は5時)に出社、 夫婦共に遠出の出張も・・ どこまでいけるか奮闘中の共働家、ともばたけ!