一難去ってまた一難。技術を実装させるって、本当に難しい・・企業研究職の苦難【後編】

前回、前々回に続いて今回【後編】を書きたいと思います。

いやはや。

技術職って、いろいろあります。

ほんと。

 

そうそう、ちょっと話は脱線しますが、我が家が済んでいる賃貸住宅マンションも建ってから20年が経過するそうです。

数か月前のこと。

お風呂のシャワーとカランの部分、風呂蛇口を変えてもらうことにになりました。

マンションには、ボタンをピッと押せばバスタブにお湯を入れてくれる給湯器も付いています。

非常に便利ではありますが、あまり使っていませんでした。

というのも、旧式の風呂蛇口だと、シャワーを使いながらお湯をためられる仕組みだったので、子供と一緒に浅めにお湯を張りながら、私は髪を洗うなど、シャワーと蛇口を併用できて便利だったんです。

一方で、見た目は昭和からあるいわゆる『風呂蛇口』。

ちょっと古臭くは見えましたが、我が家の生活スタイルにはマッチしていました。

 

そんな中、シャワーのホース部分が劣化してきたため、管理会社に連絡。

ホースを取り換えてくれることになりました。

 

管理会社の担当の方が、我が家の風呂蛇口を見た時に、

「これは古い型を使っていますね。よかったら、蛇口ごと交換させていただきます。」

と言ってくれました。

へーー新しいの嬉しい!

とウキウキし、後日の交換を楽しみにしていました。

 

んが!

確かに綺麗になったのです。

こんな感じに。

ただね。

問題がありまして。

この系の蛇口だと、

お風呂に『お湯をためる』と『シャワー』を併用できない

今までは、昭和の蛇口だったので、1つの水道から出るお湯を『お風呂をためる』と『シャワー』に併用できたのです。

もちろん、始めの水源が10としたら、3:7くらいの比率でシェアしないといけないですよ。

でも、新しい蛇口は、

完全にどちらか一方

なのです。

 

見た目は綺麗になりました。

一見、とっても快適です。

夫も子供達も当初は喜んでいました。

 

しかーし!

しばらくすると・・

待って。

前の蛇口の方が使い勝手よくない?

となってきました。

そう。

新しい技術で消される部分がある。

そしてその『消されてしまった部分』は意外と大事だったりします。

 

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話を私の仕事に戻しましょう。

 

サラリーマンはリスクが低いと言われる職業です。

ただし、ノーリスクではない。もちろん、日本企業なので突然解雇になったり、信じられないような不当な扱いは受けませんが、やっぱり○○技術はこの人が担当!と矢面に立つ時があり、その技術がオジャンになると、組織としても「この担当者大丈夫なの?」という雰囲気になる。

組織は誰かに責任を負わせないといけないので、暗黙のうちに『担当者』がババを引くことになる。

えっ?その人の上司なんじゃない?責任持つのって。

と思うかもしれなし。

それは、新人~5年目くらいの若手であって、中堅の場合は、ガッツリ当事者に責任を問うことになります。

(だから特にリスクが伴う開発をするよりも、ただそこにいるだけの人が出世する説はある気がします。)

 

 

んでもって、そう簡単に予算がもらえるようなお鉢が回ってくる訳ではない。

正直、20年以上同じ会社で勤務して初めてこんな予算を頂きました。

今、40代半ばなので、あと15年くらいの現役時代で、同様に予算がもらえることってあるのかな?というのが正直なところ。

 

まぁ、

一世一代のチャンス

といえばそうなのかもしれません。

 

しかーし!

納期が、来年の3月ではなく11月まで伸びるとのこと。

 

それだけでも現場は【げんなり】案件なのですが、

畳みかけるように負のお知らせが届きました。

納期延期の通達後、すぐに関係各所には連絡を済ませました。

予算が予算なこともあり、うちの部署長が常務にも直接連絡をしてくれました。

「致し方ない。相手さんにも失礼のないようにしっかり進めるように。」

という言葉を頂きました。

御意。お言葉感謝申し上げます。

 

そんなことがあった数日後。

 

私は取引先からの着信に気が付きました。

なんだろ?急ぎの用事かな?

いつもならばメールで来る知らせが、電話ということは困ったことなのでは?嫌な予感しかない。

恐る恐る、電話に出ます。

はい。ぽにです。

「○○株式会社の担当の者です。ぽにさんの携帯でよろしかったでしょうか。」

はい。間違いないです。おはようございます。

「おはようございます。あのですね、今電話しても良かったでしょうか。」

はい。大丈夫です。どうかしましたか?

「ええ。ちょっとショッキングなことがありまして・・」

 

取引先の担当者は、説明を続けました。

ええ。

ちゃーんとショッキングでしたyo!。

 

なんとなんと、

装置に内蔵するある【チップ】が製造停止になるとのこと

その【チップ】は技術のコア中のコアで、

1回搭載すれば長く持つとはいえ、壊れた際に替えが効かないのは怖い。

製造停止だと、いざという時に部品供給ができない。

 

ただ、同じメーカーから【チップ】の後継チップが出るとのこと。

しかーし!

後継チップには、我々の技術の肝となる『電気信号回路』がゴッソリない。

なんでや!

我々は、チップから電気信号を得て、装置を運用する設計。

んが!後継チップでは電気信号を通達する回線がないとのこと

 

代わりに、最新の後継チップは、Wi-Fiのような回線?が付いているとのこと。

 

うん。

その改良、いらんやつな

 

本当に、技術って、時にいらない角度で更新されます。

 

前の機種の方が、使い勝手良かったわ!ということが多々ある。

お風呂の蛇口もしかり。

 

えっ、どーーすんの?

ということで、取引先もその他共同研究をしている関連会社も、我々開発部隊もえらいこっちゃ!と大騒ぎ。

キャンセルになっても、技術を1から辞めるということも致し方ないという話になりつつあります。

 

うん。

この決断、一応年内にされると思いますが、

技術が今度こそダメになるかもしれません。

 

もうね、

逃げ出したい!

本当に。

でも、プロジェクトリーダーは逃げ出すわけにいかない。

 

困ったときこそ、

『どんまい!次の一手を考えよう』

とメンバーに鼓舞しなければならない。

 

予期しない技術変更はザラにある・・

待てよ。

我が家の蛇口も、一時は使いにくくて難儀しましたが、

数か月たった今では完全に生活にフィットしています。

人の慣れって凄いもの。

 

ということで、もしも億単位の技術がオジャンになっても、

それに付随する細かい技術は横展開できるので、

他の分野にも注力を注ぐとします。ってこれって結構な仕事なんだけど。

 

あーー。

大変だわさ。

 

ポチが嬉しかったりします・・ホントに。ありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

10数年前の入社当時は、バリバリ系(自称)を目指してヒジ張って働いていました。 メディアに紹介され、優秀な女性として会社の重要ポストに・・と本気で考えていました。 現実は全く違い、自分の中で上々の結果だと思っても平凡な評価。現実と理想の違いに悶々とする日々。 結婚、自らの転勤、DINKSを経て、待望の子供を出産。 2回の育休を取得し、現在4歳、6歳の育児中。 もうすぐ3人目の出産を控える。 約50平米、賃貸マンションを何とか快適にと模索の日々。 夫婦共に技術系総合職、 お互いの実家は遠方(完全核家族)、 バタバタの育児、 主人は早朝(繁忙期は5時)に出社、 夫婦共に遠出の出張も・・ どこまでいけるか奮闘中の共働家、ともばたけ!