ちょっと前の記事の続きです。
国語力はどうやったらつくかというお話。
分かりやすく説明している、良い本をみつけましたよ~~という所で続きとなりました。
お待たせしました。
この本がズバリ言い当てていました。
一昔前に流行った、
の続編。
新井紀子氏が書いたこの本は、ベストセラーとしても有名です。
前作を簡単に要約すると、
- AIは人類から全て仕事を奪うことはないですよ~
- プログラムは計算機、AIはプログラムなので、人間の知的活動を数式に変換することは無理よ~
- AIは、文章を本当の意味で理解することが苦手でーす
- とはいえ我々人間も『読解力』がかなりヤバい状態になってまーす
と説明しています。
その中で、こんな設問が出されていました。
ちょっと解いてもらえませんか?
【問い】
次の文を読みなさい。アレックスは男性にも女性にも使われる名前で、
女性の名アレキサンドラの愛称であるが、
男性の名アレキサンダーの愛称でもある。この文脈において、
以下の文中の空欄にあてはまる最も適切なものを
選択肢のうちから一つ選びなさい。アレキサンドラの愛称は( )である。
①アレックス
②アレキサンダー
③男性
④女性
ごめんなさい。
面食らった方も多いと思います。
私も恐る恐る、
えーっと
①だよね。
と思いました。
正解です
答えを知ると、ホッ・・
ちゃんと読めば、誰でもとけるじゃ~ん♪
と思ってしまいます。
そう、このような問題はAIは不得意。
前記したように、AIは文脈を察して理解することが苦手なのです。
尚、この問題は中高生の回答割合は以下。
中学生(235名)の正解率:38%
高校生(432名)の正解率:65%
結構低い。
高校生も、問題の意味をちゃんと捉えられていない。
(まぁ、私もちょっとヒヤヒヤしたけど・・)
AIに勝つ=質問の問いを理解する力を身に付けましょう。
ということが(超ザックリ説明すると)書かれていました。
だがしかし、
前作は、
じゃあどうすればよいか?
という提案がほぼない。
指摘だけして、若干放置される感がありました。
で、今回の本(AIに負けない子どもを育てる)は、その辺りをカバーしていました。
具体的には、著者が提唱している、RST(リーディングスキルテスト)という名前のテストで自分の読解力を認識して!とのこと。
読解力を測定・診断するためのテストの紹介が主です。
先ほど皆さんに紹介した問題が、その一例です。
このテストを通して読解力で足りないスキルや知識を知ることができます。
ただ、このテストをとにかく繰り返しやればいいのね~はダメ、
点数を上げる練習は意味なし!とも告げています。
うん。
では、
『国語力を向上する』するにはどうしたら良いか?
そう、それが知りたかった!
大人の場合、
- ゆっくりでも良いので文章を理解する
- 単語や文章を記憶と結び付けない
ことが大切。
では、子供はどうする?
子供の場合は、
- ドリルなどの穴あき問題は早いうちに辞める(小学校高学年で卒業して!暗記学習になるよ!)
- 単語をきちんと調べ、正しく使えるように文章にしたり自分の中に腹落ちさせる
- 写メや電子で資料やノート作りを済まさず、板書をさせる
- とにかく板書!めっちゃ大事!
などなど。
当たり前だけど、そーだよね~と思ってしまう、
凄く良いことが書かれています。
自宅学習を進めている方にも、必読です。
その他にも、ははーん!
と首がもげるほど頷いた部分があります。
義務教育+高校で習う『国語』は文学的に楽しむ部分が多く、
- 質問が何を指しているのか
- この文と同じ意味の文はどれか
- 文章を正確に読み取っているか
の教えはすこぶる低いとのこと。
そう、それ!
太宰治とか、夏目漱石とか文学作品に触れられることは悪いことではないけれど、
社会に出ると、
- 会社のルールや規範を正しく読む
- 一斉メールの趣旨をしっかり理解する
- 締め切りや求められていることを把握する
みたいなことが非常に多い。
この本では、
『文学に触れる国語』と『読み解く国語』は違う単元ですよ~
と説明し、
『国語教育を抜本から変える必要がある』
と諭しています。
その辺りの言及もめっちゃ面白いです。
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本なんて全然読んだことがないけれど、
やたら理解力が高い人が私の周りにも結構沢山います。
理系の研究者には多かったりします。
そういえば、彼らは、分からない文章はゆっくりでも噛み砕き、
単語の意味を何となくフワッと理解したフリするのではなく、
メンドクサイくらい、
「それって、○○っていう理解で合ってます?」
と聞いてきます(自分でトコトン調べたり)。
正しく理解する癖を付け、
この本で描かれているノウハウを
息をするようにやっています。
うん。
私も真似をしよう。
今からでも間に合う!
と思わせてくれた一冊でした。
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