シリーズ第3回目でございます。
2019年の4月からスタートした『働き方改革』は、夫婦それぞれの所属企業に、大きな影響がありました。
私の職場は、定時から20分以内に退勤をして下さいとの勧告が出ました。
みなし残業なんて当たり前がまかり通っていた数年前とは全然違います。
勤務時間が長い=頑張っている
という構図がガラガラと崩れていくのを肌で感じます。
一方で、研究職の夫は、『専門業務型裁量労働制』です。
年に数か月、土曜日が変則勤務だったり、繁忙期は遅くまで働くこともありますが、この4月からは徐々に帰りが一定になっています。
働き方が変わるとともに、子供の成長のおかげで精神的・時間的ゆとりも作れるようになりました。
休日や平日のちょっとした時間、私は本をパラパラ読んだり、夫は週一で英会話に通っています。
加えて、彼はYouTubeを使って『自己啓発』にも取り組んでおり、子供達と寝落ちしなければ、あらゆるジャンルの動画をチェックしているようです。
そして、この『自己啓発』が、考え方をグッと広げたようです
というのも、夫は本や新聞をそこまで読みません。
『読む』という行為より、『みる・聴く』という行為の方が頭にインプットし易いようです。
YouTubeや動画配信サービスの『大人の教育系』は、どちらかというと、
- マーケット感覚を養うこと
- 時事ネタの見解
- 歴史の解説
- モチベーションの維持方法
などが多いと感じます。
私達夫婦は、理系ということもあり、今まで専門分野の自然科学について知識を深めてきました。
いわば、『プレーヤー』としてどれだけ自分ができるかを企業からも求められ、それに答えようとしていました。
自ずと『狭く・深く』がモットーです。
しかし、勤続年数も10数年が経過し、後輩が増え、教育や管理をするような仕事もし始めると、全く違う『スキル』が問われているのが分かります。
同時に、新卒で入ってきた研究者や技術者の方が、遥かに人脈や知識があり、企業にずっといた自分の存在価値に立ち止まることもあります。
長年やってきた経験や知識って、想像していた以上に古かったり薄かったり・・と思う事も出てきました。
やればやるほど、深まる部分もあるけれど、
それは比較的『誰でもできること』。
サラリーマンは、替えがきくからこそサラリーマンだよな・・とジワジワ感じます。
そんな中、YouTubeでの学習は、
日本のサラリーマンが無意識に継承される『昭和の価値観』ではなく、
全く逆の感覚が今後の世の中を生き抜くのに大切だと伝えてくれているようです。
閉鎖的な技術系に私もドップリ浸かっているため、彼がハッとするのも自然な流れだと思います。
そして、代替が可能なサラリーマンとは異なり、
普遍で代えがたい存在は、
やはり、
家族だ!
という認識が湧いてきているようです。
夫婦でも、頻繁にこのような話をするようになりました。
土日に子供達と公園や自然豊かなところで、思いっきり遊ぶことが無性に楽しみだったり、確実に生きがいの一つになってきました。
子供達も、心が少年の夫と遊ぶことが大好きです。
更に、夫はここ数年、年に3-4回ほど海外出張に出かけています。
私は完全ワンオペが1週間~10日続くため、出張が嫌で嫌でたまりませんでした。
語学が得意ではない彼は、当初ナーバスになり、英会話のために土日に自習時間をくれとせがみ、出張だけでなく、出張準備のワンオペ時間も確実に長くなっていました。
ただ、その出張の副産物が、
『ご褒美』として跳ね返ってきました
彼が出張する国は、先進国が多く、働き方やジェンダー感覚の違いに大いに刺激を受けているようです。
オイオイ、お前さんも元亭主関白夫だろ・・育休も取るなんて全く考えられない思考回路でしょ・・
と思いますが、海外の研究者と雑談をしていると、日本人の凝り固まった、
- 年功序列や長時間労働
- 男性社会
- 女性の社会的地位の低さ
に徐々に疑問を持つようになったようです。
まぁ、そんな経験をしたとしても、人は簡単には変われません。
『事なかれ主義』の彼は、日本に帰ってきたらすぐに職場のそれに巻かれてしまい、アレレ?海外に影響されていた思考はどうなった??
と思う事もしばしばです。
でも、ジワリジワリと移行している部分は確実にあったようです。
前置きが大変長くなりましたが、
総括すると、
夫の中で小さな変化起きつつあったのです。
- 働き方革命
- 自己啓発から得る新しい価値観
- 子供達への溺愛
- 世界から見た、日本のちっぽけな固定観念
これらがうまい具合に重なり・・
再びの妊娠が分かり、
私の職場が妊婦と育休取得者が多くて大変な状態だとも話しました。
しばしの月日が流れたある日。
ちなみに、私は、前回のブログ記事で書いたように、彼の育休取得について特にお願いはしませんでした。
何気ない夫婦の会話の中で、
彼がこう言いました。
「育休、取ろうか?」
すみません。続きます。
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