*最終話*⑫社長賞を取って見えてきた『残念な景色』それでもサラリーマンは続く

大変お待たせしました。

社長賞受賞のお話のつづき、最終話です。

【今までのおはなし】

 

【ザックリあらすじ】

昨年、死に物狂いで結果を出し、特許も申請。

しかし、評価も平凡で、管理職試験にも落ち、モチベーションぐらぐら初夏。

たぶん、顔にも『明日にでも会社辞めたいです』って書いてあったと思います。

 

そんな中、上席に呼び出されます。

うん。

なんですと?

役員発表ですと?

私がリーダーを務めるプロジェクト。

昨年予想していたよりも成果があったため、少し注目を集めています。

 

すったもんだがあってノミネートさせて下さい!と申し込んだ社長賞。

選考会となる役員発表会に呼ばれたました。

発表当日。

ドキドキする私。

後輩の佐々木君はひょうひょうとしています。

無事に発表が終わり、質問コーナー。

うん。

意外にも、役員の方々、

食いつき凄い!

なかなかの好反応(←今ここ)

 

「では、この辺りでよろしいでしょうか?」

司会者の方に退場を促されました。

 

「この後、審議に入ります。また後日。」

 

ありがとうございました。

深々とお辞儀をし、退席しました。

 

廊下では、課長が待っててくれました。

どうでも良いですが、うちの課長、めちゃくちゃ真面目で、三谷幸喜にソックリです。

いちいち、計算なしで面白い。

 

でも、今日は顔を見たら安心しました。

「どうだった?いい感触だったんじゃない?」

課長の顔をみて、緊張しました~~と一言。

すると、ひょうひょうとしていた佐々木君。

 

「僕も緊張しました。

って、実は僕。

目が悪くて、特に暗闇では見えないんです。」

 

えっ、もしかして・・

 

「はい。誰がいるのか全く分かりませんでした。人いたのかな?くらい。」

 

あんた、大物だわ

 

そんな他愛ない会話をしながら、自分達の研究室に向かいました。

担当部長には終了を報告。

「うん。ご苦労様。いつ結果がわかるんだろうね~」

と言われ、

ね~いつなんでしょうね。

ドキドキしますね~

なんて話をしていました。

 

んが。

1週間経っても2週間経っても、連絡なし。

 

1か月後には、自分達ですら『社長賞』のことを忘れていました

 

そんな中、もう一つのプロジェクト、

約4年前からスタートし、

立ち上げから私が2年リーダーを務めたプロジェクトが『社長賞』を受賞することになったよ

との報告が、会社のチームチャットで流れてきました。

 

社長賞を受賞するのは、現プロジェクトリーダーだけ。

ふーん・・

まぁ、いいんだけど。

というか、よくない!と言った所でどうかなる訳でもない。

他のメンバーも複雑だろうな。

 

あーー会社なんてそんなもんだ。

誰が受賞しようと、どうでもよし。

でも、社を盛り上げるためにも『分かりやすく頑張ったプロジェクト』は表彰しておきたいんだろう。

 

社長賞のお知らせは、9月号の社内報に載るとのこと。

ふーん。

良かったね。

チャットが来た時、久しぶりに、

あれ?

技術発表した社長賞ノミネートはどうなったんだ?

って思いましたが、まぁいいか。

と特に気に留めていませんでした。

 

で、グイーーンと初回に戻ります。

 

時は流れ、9月になり、

そう。

社内報が配られました

 

ドドーーン!

と載る、例のプロジェクトの現リーダー。

 

その頃には私の気持ちも落ち着いていて、というか、もう会社に何も期待していないし、はいはい。そうかい。そうかい。良かったね~

って感じ。

 

社内報を冷めた目で見ていました。⑦幻の社長賞。功労者は、なかったことにされた・・

 

しかし、同じ巻頭ページになんとなんと、

我々2人、

ぽに&佐々木の名前が載っていました

 

「ぽにさん、名前が載ってること知ってました?」

 

しっ、

知るかぃ!!

顔を見合わせ、

ただただビックリする我ら。

 

内容としては、『現時点でも社長賞レベルだが、更なる結果が出そうなのでその時にまた表彰する』ですと

なにそれ?

今あげたら??

でも、褒められていることには間違いない。

 

で、すぐに課長の所に持っていきます。

知っていましたか?

「ほんまや!載ってるやーん!」

 

驚く三谷幸喜。

「ぽにさん、知ってた?」

知りませんよ!

知ってたら、課長に相談してますよーー!!

 

「そっか!でも、良かった。おめでとう。

これでお墨付きってことで予算も大量に流れてくるよ。

君たちのチームが頑張っていることが認められた。

よし、頑張ろ!

とりあえず、部長の所に行ってくる!」

 

走る三谷幸喜。

 

で、しばらくして、帰ってこられました。

「部長も知らなかったって~~!」

 

えっ。

てか、我々の部署、

どこまでFランなの?!

 

教えておいてよ。最上層部たちよ。

ヒラの私達はまだしも、うちの部署のメインパーソンには言っておいてよ。

 

プロジェクトメンバーにも、

「ぽにさん、知っていたのなら教えて下さいよ。」

とチャットが来ましたが、

私も社内報で知りました(汗)。みなさん、通ったみたいなので頑張りましょう!

と返しました。

 

なんだろ。

最上層部たちにしてみたら、

ヒラ達を鼓舞するために設けた賞だと思いますが、

雑というか、逆に疑心暗鬼になり、ツッコミどころ満載。

まぁ彼らには、他にも優先すべき大切な事項があると思うので、もらえただけ有難いとします。はい。

 

今回、嬉しい反面、

所詮、みんな組織の『駒』だよな・・

と気が付きました。

何度目の『きづき』だよ・・と自分にも呆れますが。

 

それでも、朝になったら準備して、会社に向かう。

1日のゴールデンタイムを捧げ、必死に与えられたタスクをこなす。

時に運が良ければ注目されるお鉢が回ってきますが、ほとんどがそうではない。

 

私も入社して15年くらいでやっと『面白みのある課題』が回ってきました。

 

そして、課題の重要性や重圧度と給与が連動している訳ではない。

日本企業だと、どんな課題でも一定の給与。

ちゃーんと年功序列。

 

今回、プロジェクトで何度も嫌な思いもし、

もちろん今回みたいな社長賞も頂きましたが、

頑張らなくてもええかも

と思いました。

てか、リーダーになったり、しんどい思いをする割りに給与も評価も変わらんやん!やり損じゃん!ってモヤモヤ。

 

これは、プロジェクトに参画する若手達も思ったみたいで『あれ?ヤル気搾取?給与・評価は変わらないのに』と相談される場面も、実はありました。

 

2つの社長賞に絡んだからこと、私自信も、

社長賞って、意味なくない?

と感じざるえません。

 

評価にも反映されず、給与も据え置き、管理職試験には高得点でも落ちる。

しょーもな。

 

と思ってしまいました。

賞あげたらか、やる気でたでしょ?

と上層部は思っているかもしれません。

でも、

賞に絡んだからこそ、現実が見えました

 

自分のプロジェクトのメンバー、特に若手もそう思ったと思います。

おそらく、近い将来彼ら・彼女らは転職するでしょう。

『優秀なので面白い課題も与え、社長賞にも絡ませたのに、何がダメだったんだ?』

と思った時にはもう遅し。

 

結局、やる気や面白みも大切ですが、

適切な報酬や評価がないと今の人はついてこない。

 

30年前は「長い目で見たら、今の辛抱は報われるから」という文化でしたが、

これだけ世の中がコロコロ変わる中、

長期スパンで見た時に、所属企業が残っている保証はない。

評価すべき時に適切かつ丁寧な対応をしないと、人は離れるよ。

 

今回の社長賞。

ある意味、社長賞以上に得るものがありました。

 

賞を取ったからこそ、

いよいよ日本企業に呆れております。

さぁ、私、ここにいつまでいるの?

 

どうしようかな~~

以上、社長賞のお話でした。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

10数年前の入社当時は、バリバリ系(自称)を目指してヒジ張って働いていました。 メディアに紹介され、優秀な女性として会社の重要ポストに・・と本気で考えていました。 現実は全く違い、自分の中で上々の結果だと思っても平凡な評価。現実と理想の違いに悶々とする日々。 結婚、自らの転勤、DINKSを経て、待望の子供を出産。 2回の育休を取得し、現在4歳、6歳の育児中。 もうすぐ3人目の出産を控える。 約50平米、賃貸マンションを何とか快適にと模索の日々。 夫婦共に技術系総合職、 お互いの実家は遠方(完全核家族)、 バタバタの育児、 主人は早朝(繁忙期は5時)に出社、 夫婦共に遠出の出張も・・ どこまでいけるか奮闘中の共働家、ともばたけ!